
OSSD(Ontario Secondary School Diploma)は、カナダ最大の州であるオンタリオ州教育省が発行する公式な高校卒業証明書です。カナダの教育は州ごとに管轄が異なりますが、その中でもオンタリオ州のカリキュラムは「世界で最も成功している教育モデルの一つ」として、OECD(経済協力開発機構)のPISA調査などで常に世界トップクラスにランクインしています。
OSSDは、イギリスのA-Levelや国際バカロレア(IB)と並び、世界的に認められた「大学入学資格」です。カナダ国内のトロント大学、マギル大学などの名門校へ、州内生と同じ枠組みで出願が可能。
アメリカ・イギリスは、アイビーリーグやオックスフォード、ケンブリッジなどのトップ大学もOSSDを正式な入学資格として受け入れています。
一発勝負の試験ではなく「継続的な学習プロセス(平常点)」を重視する姿勢が、大学入学後の学業成功に直結すると高く評価されています。これがまさにOSSDが実践している教育システムそのものです。
この記事では、OSSDの仕組みや卒業条件、カリキュラムなどについて具体的に解説します。
オンタリオ州のSecondary School(高校)の仕組み
オンタリオ州の教育システムでは、Grade 9からGrade 12までの4年間が「Secondary School(高校)」と位置づけられています。日本の中学3年生から高校3学年に相当し、この4年間の課程を修了することで卒業資格であるOSSDが授与されます。
また各科目は1単位(Credit)制で管理されており、所定の単位を修得することで卒業資格が得られます。卒業までに30単位(30科目)の履修が卒業要件の一つとなっています。
最大の特徴は、学年が進むにつれて専門性が高まる「コース分け」です。Grade 9・10では基礎を幅広く学びますが、Grade 11・12では将来の進路に合わせてコースレベルが設定されており、そのコースから科目を選択します。
目標にあわせたコースレベル
- Academic:大学進学を目指す生徒向け。理論や概念の深い理解を重視。
- Applied:カレッジや実務進学向け。実践的・応用的な内容が中心。
- University:Grade 11・12で大学進学に直結するコース。
- College:専門学校・カレッジ進学向けのコース。
- Workplace:就労を目標とするコース。
- Open:進路を問わず誰でも履修できる科目。
大学進学を希望する場合、Grade 11・12で「University」レベルの科目を中心に履修する必要があります。
OSSDの卒業要件
OSSDを取得するためには、大きく分けて4つの条件を満たす必要があります。なお2024年以降に入学する生徒には、一部新しい科目が必修化されています。
① 合計30単位の取得
日本の多くの高校のように「クラス全員が同じ授業を受ける」スタイルではなく、大学生のように自分で科目を選んで単位を取得する「単位制」を採用しています。
最終成績の70%が学期中の課題・小テスト・プロジェクト、残りの30%が期末試験や最終課題で構成されます。この「70/30ルール」により、コツコツ努力する生徒が正当に評価される仕組みになっています。
OSSDでは、1科目=1単位が基本です。卒業要件は30単位の取得であり、つまり30科目の授業を4年間で履修していく設計となっています。
内訳は必修科目17~18単位、選択科目12~13単位です。
【主な必修科目】
- 英語(English): 4単位(各学年1単位ずつ)。留学生はESLを3単位までカウントできますが、Grade 12の英語は必須です。
- 数学(Mathematics): 3単位(Grade 11または12で少なくとも1単位)。
- 理科(Science): 2単位。
- カナダの歴史・地理: 各1単位。
- 芸術(Arts): 1単位。
- 体育(Health and Physical Education): 1単位。
- フランス語(French as a Second Language): 1単位。
- 技術(Technological Education): Grade 9または10で1単位(最新の義務化項目)。
- キャリア・シチズンシップ: 各0.5単位。
② 識字能力テスト(OSSLT)への合格
Grade 10の時に受けるOSSLT(Ontario Secondary School Literacy Test)に合格する必要があります。読解力と記述力を問うテストで、不合格となった場合でも、補習コース(OSSLC)を履修することで要件を満たすことができます。
③ 40時間のコミュニティ奉仕活動(ボランティア)
社会貢献意識を育むため、4年間で合計40時間のボランティア活動が義務付けられています。地域のスポーツチームのコーチ、図書館のボランティア、慈善団体での活動など、内容は多岐にわたります。
④ オンライン学習(e-Learning)2単位
デジタルリテラシー向上を目的として、30単位のうち2単位をオンライン授業で取得する必要があります。ただし、これについては保護者の申請により免除(Opt-out)することも可能です。
OSSDの特徴とメリット
圧倒的な柔軟性
OSSDの最大の魅力は、生徒が自分の将来の目標(文系・理系・芸術系など)に合わせて、Grade 11以降の科目を自由にカスタマイズできる点です。例えば、将来エンジニアを目指す生徒は物理と高度な数学を、ビジネスを目指す生徒は経済や会計を重点的に学ぶことができます。
また前述の通り、成績の70%が日々のパフォーマンスで決まります。
「試験が得意ではないが、日々の課題に真面目に取り組める生徒」にとって、OSSDは非常に有利なシステムです。これは大学進学後のレポート作成能力や自己管理能力を養うことにも繋がります。
OSSD(Ontario Secondary School Diploma)は、カナダ・オンタリオ州が誇る国際的に認められた高校卒業資格です。30単位の修得・州共通テストの合格・40時間のコミュニティサービスという明確な取得条件のもと、英語力・学力・市民性をバランスよく育てる教育課程が特徴です。英語圏トップ大学への進学ルートとして、また日本の大学入試においても活用できる実用性の高い資格として、グローバルな進学・キャリアを目指す学習者にとって非常に価値のある選択肢といえるでしょう。
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