
「うちの子、出席率が低くて…」 「成績があまりよくないのですが、カナダの私立高校に入れますか?」
カウンセリングで、こうした不安を打ち明けてくださる保護者の方は、実はとても多いです。日本の中学・高校の成績、欠席日数、あるいは一時期学校から足が遠のいていた経験など。そうした過去を抱えたまま、「でも留学させてあげたい」と思っている親御さんを念頭に、このページを用意しました。
結論を先にお伝えしますと、カナダの私立高校、とくにインターナショナル型の学校においては、出席率や成績が思わしくなくても、殆どの場合は入学ができます。そしてそれは、単に「基準が甘い」ということではなく、カナダの教育制度そのものの設計によるものです。
- 入学審査で成績書類を提出する「本当の理由」
- 出席率・成績が悪くても入学できる仕組みの背景
- カナダならではの「個別ペース」で卒業できる仕組み
- 英語力の不安についての考え方
- 入学後のサポート体制について
「成績を提出してください」の目的
多くの学校で、出願時に日本の成績表の提出を求められます。これを見て「成績で落とされる」と心配される方が多いですが、インター型の学校における成績書類の主な目的は、入学の可否を決めることよりも、カナダの単位に変換できるかどうかを査定するためという意味が強いのです。
例えばオンタリオ州の高校はグレード9〜12(日本の中3〜高3に相当)の4年間で構成されており、卒業には定められた単位数の取得が必要です。日本で取得した単位がカナダの単位としてどこまで認められるか、どの学年から始めるのが適切か・・?これを精査するために、入学前の成績情報が必要です。
つまり、成績が悪かったとしても「カナダで何年生からスタートするか」「どの科目の単位を改めて取る必要があるか」という判断材料として使われるのであって、「成績が基準以下だから入学不可」という機械的な足切りに使われることはインター型の学校では少ないと言えます。
成績や出席率に自信が無くても、入学できる
「入学基準の成績・GPAを設けている」と言う学校は少なくありません。しかしインター型の学校には「受け入れる前提で審査する」学校もあります。GPAの数字だけを見て機械的に判断するのではなく、本人の意欲、保護者の理解とサポート体制、学校側のサポートが機能するかどうかを総合的に見ています。例えばGPA75%と公式に設定している学校でも、それに満たなければ入学出来ないという言い方はしません。
そして現実的な話をすると、仕組み上、入学できないということはないと言えます。なぜなら、入学後に必要な単位をすべて取得すれば卒業できる、という制度設計がカナダには備わっているからです。
🍁 カナダ式「個別ペース卒業」の仕組み
カナダの高校は単位制です。日本のように「学年が上がれば自動的に進級する」のではなく、必要な単位を一つひとつ取得していく仕組みです。これが意味することは以下の通りです。
- スタート地点(グレード)は個人の状況に合わせて調整できる
- 単位を取るスピードは人によって違ってよい
- 全員が同じ授業を受け続ける訳ではない(選択授業があり、興味・得意分野を反映できる)
- 苦手な科目はじっくり時間をかけて取得できる
- 最終的に必要単位が揃えば、年数にかかわらず卒業できる
⇒つまり3年未満やそれ以上かけて卒業も可能。ただし一年単位ではなく取得単位に基づく。
「最悪のケース」を想定しても、カナダの単位制においては、必要な単位をすべて取得すれば卒業できます。スタート地点や、単位の取り方のスピードを個々に合わせられるのが、カナダの教育制度の大きな強みです。
逆に高校の後半でペースをあげ、例えば1セメスターで取得する単位数を増やしたり、サマースクールへ通って年間取得単位を増やす事もできます。このフレキシブルさが、カナダの高校の特徴です。例えばBodwell Highschoolのカリキュラムでは、最短2年以内で卒業単位を取得する事も可能と解説しています(下図)。 ※BC州で卒業に必要なのは20科目(80単位)

英語の授業も「単位」になる。無駄な時間ではない
留学当初、英語力が十分でない場合はESL(English as a Second Language)クラスに入ることになります。「英語の補習のために時間を使うのはもったいない」と感じる方もいますが、カナダではESLの授業も正式な単位として認定される事があります。
例えばオンタリオ州の場合、卒業までに4単位のEnglish(カナダで言う「国語」)の取得が必須ですが、このうち3単位まではESLクラスで認定が出来ます。最後の「Grade 12 English」だけESLで代用きないため、ENG4UやENG4Cなどを受ける必要があります。
※なおBC州は単位変換できるESLクラスは条件があり、少し複雑になっています。
英語を学んでいる時間も、卒業に必要な単位に直結している。英語力がゼロに近い状態でスタートしたとしても、授業で英語を学びながら着実に卒業単位を積み上げていける仕組みになっています。
入学後のサポート体制について
カナダの私立高校は、もともと学生ひとりひとりへのサポート体制が非常に手厚い環境です。担任制に近いアドバイザー制度、学習面のチューター、生活面の寮スタッフ、精神面のカウンセラーが学校内に揃っており、困ったときに相談できる大人が常に身近にいます。
日本での不登校や成績不振の背景に、人間関係や環境への適応の難しさがあるケースも少なくありません。カナダのインター型私立高校は、そうした生徒を受け入れてきた経験が豊富で、ゼロからリスタートするための環境として機能することが多いです。


インター系最大規模のコロンビア・インターナショナルは、
ESLだけでなく無料チューター制度で英語力や学業の補習を提供
マイルストーンカナダも、現地に拠点を持つエージェントとして高校生のサポート窓口を用意しています。ただ実感として、現地での生活が落ち着き始めると、日常的にご連絡をいただくケースはほとんどなくなります。学校のサポート体制が手厚いことに加え、子どもたちは新しい環境に馴染むのが思いのほか早く、親御さんの心配をよそに自分のペースで学校生活に入っていくことが多いです。
Bodwell Highschoolのアドバイザー
ただし、ローカル型は別の話
ここまでの話は、インターナショナル型(インター型)の私立高校を前提にしています。
カナダ人学生も在籍するローカル型の伝統校・名門校については、入学審査の考え方が異なります。ローカル型は「選抜する前提で審査する」学校が多く、英語力・学力・面接が重視されます。成績や出席に課題がある場合は、インター型からスタートし、英語力と学習習慣が安定してからローカル型への編入を検討するルートが現実的です。(実際、このような転校をする方は多いです)
| インター型 | ローカル型 | |
|---|---|---|
| 審査の姿勢 | 受け入れる前提で審査 | 選抜する前提で審査 |
| 成績・出席の扱い | 単位変換の確認が主目的 | 入学可否の判断材料 |
| 英語力の要件 | 不問〜初級でも可 | 一定の英語力が前提 |
| 成績・出席に不安がある場合 | ✅ 相談ベースで対応可 | ⚠️ まずインター型から検討 |
過去より「これからどうするか」
日本での成績や出席の記録は、カナダでの出発点を決める材料にはなりますが、カナダ留学を諦める理由にはなりません。カナダの単位制教育は、どんなスタート地点からでも、本人のペースで卒業を目指せるように設計されています。
大切なのは過去の記録ではなく、「カナダで何を学び、どう変わりたいか」という意志と、保護者の方のサポートです。
もしお子さんの状況について「うちの場合はどうか」と気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。これまで多くの「不安を抱えてのスタート」を経験してきたカウンセラーが、個別の状況を聞いたうえでご案内します。
📩 お子さんの状況を、まず聞かせてください
成績・出席・英語力・不登校経験など、どんな状況でもまずはご相談ください。秘密は厳守します。状況をお聞きしたうえで、現実的にどんな選択肢があるかをお伝えします。





