
ピカリング・カレッジ(Pickering College)は、歴史の長い由緒ある名門校ながらも、留学生が25%在籍、ラジオ局の運営、農場の所有など、ユニークな点も多く持つボーディングスクールです。
カナダ国内外25カ国以上から約520名の生徒が集まり、少人数クラスと手厚い個別サポートを受けています。OSSD(ON州高校卒業資格)とAP(Advanced Placement)の王道の組み合わせながら、十分なサポート体制のもと卒業生の100%が国内外のトップ大学へと進学していきます。

180年以上の歴史からくる格式を持ちますが、生徒一人ひとりを名前と個性で知っていて、かつフレンドリーな教師・スタッフが揃う、とても魅力的な環境を持つ学校です。全寮制でこのキャンパス・寮施設はまるでハリーポッターを思い出さずにはいられません(笑)
基本情報
| 学校名 | Pickering College(ピカリング・カレッジ) |
| 所在地 | ON州ニューマーケット |
| 対象学年 | JK~グレード12(4歳~18歳) |
| 学生数 | 約560人 |
| 留学生比率 | 約25% |
| 滞在形式 | 全寮制(Grade7が対象) |
| 入学時期 | 9月 |
| 提供プログラム | OSSD、AP、ESL |
| ホームページ | https://www.pickeringcollege.on.ca/ |
学校の特徴

Pickering Collegeは、1842年にクエーカー教徒(Society of Friends)によって設立されたカナダ最古の私立学校のひとつです。現在のロケーションには1909年に移転し、以来100年以上にわたって変わらぬ教育理念を守り続けています。「カナダ建国以前から存在する学校」という稀有な歴史的背景を持っています。
創立の背景に関わらず宗教的な色合いは殆どなく、あらゆる信仰・文化的背景を持つ生徒を温かく受け入れる多様性に溢れた学校です。教育の根幹を成すのは、六つの核心的価値観、シンプルさ(Simplicity)、平和(Peace)、誠実さ(Integrity)、コミュニティ(Community)、平等(Equality)、そして地球への責任(Stewardship)です。
Junior Kindergartenから Grade 12まで、デイスクール(通学)とボーディング(全寮制)の両形態に対応しており、全生徒約520名のうち留学生が約25%を占めます。生徒はカナダ国内外の25カ国以上から集まり、単一の国が全体の15%を超えないよう管理されています。この環境が、日常的にグローバルな視点を養う土台となっています。
ロケーション
Pickering Collegeが位置するニューマーケット(Newmarket)市は、オンタリオ州のトロント郊外にある人口約8万6千人の都市です。トロント中心部から北へ約40kmという近さながら、住宅街に囲まれた静かで安全な環境が広がっており、大都市の利便性と閑静な学習環境を両立できるロケーションとして評価されています。
トロントのピアソン国際空港(Toronto Pearson International Airport)へのアクセスも良好で、海外からの留学生が渡航からスムーズな往来が可能です。また、週末には生徒たちがショッピングモールや街中へ出かける際にも多様な選択肢があり、都市生活も十分に楽しめます。
街自体は規模が大きすぎず、生徒たちが地域コミュニティとの深いつながりを築きやすいことも特徴です。学校はNewmarket Food PantryやYouth Havenなど地域の団体との連携を大切にしており、生徒がボランティア活動を通じてコミュニティに貢献する機会が設けられています。
キャンパス
Pickering Collegeのキャンパスは、オンタリオ州Newmarketのほぼ中心に位置する約42エーカー(約17ヘクタール)の敷地に広がっています。Bayview Avenueに面したこの土地に学校が現在の形で根を下ろしたのは1909年のことで、以来100年以上にわたり、歴史ある建物と近代的な施設が共存する独特の空間が育まれてきました。
敷地内を歩けば、19世紀からの伝統を伝える赤レンガの建物と、最新設備を誇る新棟が自然に隣り合っており、学校の歩みそのものが視覚的に感じられます。
Rogers House — キャンパスの象徴的本館
キャンパスの顔ともいえるのが、1909年に建てられたメインビルディング「Rogers House」です。ジョージアン様式を基調としたこの建物は、トロントのユニオン駅やロイヤル・アレクサンドラ劇場も手がけた著名な建築家John Lyleの設計によるもので、歴史的・芸術的な価値も持っています。
現在は教室・理科実験室・図書館・食堂・スクールショップ・学生ラウンジ(暖炉付き)・Meeting Room(朝礼室)・管理オフィスなどが収容されており、学校生活の中枢として機能しています。
寮棟 — Firth House と New House
寮生活を支える寄宿舎棟は2つあります。女子寮として機能する「Firth House」は、1930年に建てられ、現在はGirls' ResidenceおよびBoarding Officeとして使用されています。
男子寮の「New House」は1983年に建設された3階建ての建物で、防火性を高めたコンクリートブロック設計が採用されています。当時のカナダ総督エドワード・シュレイヤー氏が落成式に立ち会ったという歴史的な経緯もあります。各居室は2人部屋を基本とし、ベッド・デスク・チェア・ランプ・本棚・収納が揃っており、快適な学習・生活環境が整えられています。共用ラウンジも各棟に設けられ、リラックスや交流の場として活用されています。
West Lake House — キャンパス拡張
キャンパスにとって最大規模の施設拡充プロジェクトだった「West Lake House」と名付けられた新棟が2025年9月に完成。国際的な建築設計事務所Diamond Schmitt Architects Inc.の設計により、約5万平方フィート(約4,600㎡)の学習スペースです。
大型劇場(全校集会にも使用可能)、物理・化学・生物の実験室を含む理科棟、STEM学習とものづくりのためのMakerSpace、音楽室・シアタールーム・アートルーム、ジュニアスクール専用棟、そして学内ラジオ局102.7 CHOP FMが収容される予定です。建物のデザインはクエーカーの設計美学に根ざしており、歴史あるキャンパスの景観と調和することが意識されています。
Blue & Silver Farm — 学びの場としての農場
キャンパス本体とは別に、Newmarketに隣接するWhitchurch-Stouffvilleに、学校所有の農場「Blue & Silver Farm」があります。面積は約77.6エーカーと広大で、2021年に53年間にわたって同校の教師・コーチ・メンターとして学校を支え続けた故チャールズ・ボイド氏から寄贈されたものです。
この農場は単なるキャンプ場ではなく、農業・環境・サステナビリティをテーマにした本格的な野外教育施設として機能しています。約5kmに及ぶ森のトレイル、サバイバル活動用の森林ゾーン、観察デッキ付きの池、学習ガーデン、温室(90フィート×26フィートという大型規模)、養鶏場、養蜂場、シュガーブッシュ(メープルシロップ製造)、野外キッチン、焚き火サークル、そしてテント付きの6つのキャンプ泊プラットフォームが整備されています。
ラジオ局・アーカイブ図書館などユニークな施設
Pickering Collegeには、一般的な学校にはないユニークな施設がいくつかあります。学内のCRTCライセンス取得済みラジオ局「102.7 CHOP FM」もそのひとつで、録音スタジオを完備した本格的な放送設備が整っています。生徒が番組制作・収録・放送に携わることで、ジャーナリズムやメディア表現のスキルを実践的に身につけられます。
また、Rogers House内には「Arthur Garratt Dorland Reference Library(アーサー・ギャラット・ドーランド資料図書館)」が設けられており、ここはカナダのクエーカーアーカイブ(Quaker Archives and Library of Canada)の保管場所でもあります。180年以上の学校の歴史と、カナダにおけるクエーカーの文化・精神史を伝える貴重な一次資料が収蔵されており、歴史研究や文化教育の場としても機能しています。このような施設の存在が、Pickering Collegeを単なる学校を超えた、地域の文化・歴史拠点としても位置づけています。
10代のエネルギーを吸収できる屋内・屋外施設
Egan House — アスレチックコンプレックス
2006年に「Egan House」と命名された新アスレチックコンプレックスは、競技大会を学内でホストできる規模の屋内スポーツ環境です。複数のジムを擁するこの複合施設は、バスケットボール・バレーボール・バドミントンなど多様な競技に対応しています。
屋外スポーツ施設
屋外施設も充実しています。ゴム舗装の400メートルトラック、4面の広大な芝グラウンド、野球ダイヤモンド、そして冬季(11月〜3月)に使用可能な屋内アイスホッケーリンクが完備されており、アルペンスキー・スノーボードのほか、乗馬プログラムではWaterStone Estate and Farmsと提携してオフキャンパスの施設も活用しています。水泳はNewmarket市内のプールと連携することで対応しており、マウンテンバイクコースも利用できる環境が整っています。
留学生のサポート
全生徒の約25%が留学生という環境の中で、Pickering Collegeは留学生が単に「学ぶ場所」ではなく「第二の家」と感じられるよう、多層的なサポート体制を整えています。新入生オリエンテーションでは、カナダの文化・生活習慣・学校でのルールや期待値についての包括的な説明が行われ、異文化への適応をスムーズに促します。
英語が母語でない生徒には、ESL(English as a Second Language)プログラムが提供されます。これは補助的な存在に留まらず、正規カリキュラムの単位取得と組み合わせた形で展開されており、学力と英語力を並行して伸ばすことができます。
特筆すべきは、カナダのCAIS(Canadian Accredited Independent Schools)加盟校の中で唯一提供されている「Foundation Year Program」で、Grade 9・10の留学生がESLサポート付きで正規のオンタリオ州中等学校単位を取得できる特別プログラムです。
全寮制(ボーディングプログラム)

Pickering Collegeのボーディングプログラムは、Grade 7からGrade 12の生徒を対象としており、現在約125名の寮生が世界25カ国以上から集まっています。Grade 7から入寮できるジュニアボーディングが可能な学校はカナダでも数少なく、この点は同校の大きな特徴のひとつです。
寮生活の中核を成す概念が「ボーディングファミリー」です。各生徒は10〜15名程度の小グループに割り当てられ、そのグループが一つの「家族」として機能します。
担当スタッフは生徒の日々の学習状況・感情的な健康状態を見守りながら、定期的に保護者へ連絡を取ります。学業アドバイザーとも緊密に連携するこの体制は、学校が「Circle of Care(ケアの輪)」と呼ぶ包括的サポートシステムの根幹です。
寮の日常は非常に充実しています。平日の夜はスポーツ、ヨガ、スケート、料理、キャンプファイヤーなどのアクティビティが用意されており、週末にはトロントのショッピングモール、スキー場、各種文化施設への遠出も企画されます。国連デーやルナー・ニューイヤーのお祝い、多文化ディナーなど、寮生の文化的背景を称えるイベントも年間を通じて開催されます。
食事は「ファミリースタイル」で提供され、同じボーディングファミリーのメンバーが揃って食卓を囲みます。ただ食べるだけでなく、会話や毎回のミニイベントを通じてコミュニティへの帰属意識を育てる場として位置づけられています。キャンパス内にはヘルスセンターが設けられており、学校看護師が常駐し、医師も週に一度訪問します。寮は24時間・週7日のスタッフ監督体制のもとで管理されており、安全面でも高い水準が保たれています。
大学進学サポート

Pickering Collegeでは、卒業生の大学進学率が100%という実績が継続しています。この数字はカナダ・アメリカ・世界各地の大学への進学を含んでおり、生徒が「行けた大学」ではなく「行きたい大学」のプログラムに合格するという実績が積み重ねられています。
2024年度の進学先の例としては、Rhode Island School of Design、University of Michigan、University of Southern California(USC)、New York University(NYU)、Boston Collegeなど、北米を代表する難関校の名前が挙がっています。国内ではQueen's UniversityやUniversity of Torontoなどの名門大学への進学も多く、カナダ国内外問わずトップ大学への合格実績を誇っています。
大学進学準備において同校が特に重視するのが、単なる成績向上ではなく「自分が何を学びたいか、社会にどう貢献したいか」を明確にする力の育成です。Global Leadership Programを通じて積み上げたプロジェクト経験や課外活動の実績は、大学出願時のエッセイや面接において強力なアピール材料となります。
教育システム
Pickering Collegeの教育は、オンタリオ州公定カリキュラム(OSSD)をベースとしながらも、それを大幅に超える独自のアプローチで設計されています。
核心となるのが、全学年(JK〜Grade 12)の全生徒に適用される「Global Leadership Program(GLP)」です。このプログラムは単独の授業科目ではなく、学校生活全体に有機的に組み込まれた教育哲学そのものです。
GLPでは、生徒が実社会の問題をテーマに設定し、チームで解決策を設計・実行・評価するプロジェクト型学習が中心を成します。ロボティクス、コーディング、デザインプロトタイピング、そして地域課題へのアプローチなど、21世紀型スキルを実践的に身につける機会が豊富に設けられています。2025年にはCommunity Innovator Awardを受賞しており、そのリアルワールド学習の質が外部からも高く評価されています。
Advanced Placement(AP)コースも提供されており、AP Calculus、AP Chemistry、AP Computer Scienceなどの選択肢を通じて、大学レベルの学習内容に高校在学中から挑戦できます。さらに、優秀な成績で課外活動や社会貢献プロジェクトも修了した生徒には「Pickering College Global Leadership Diploma of Distinction」が授与され、通常のオンタリオ州高校卒業資格(OSSD)に加えて、学校独自の卒業資格も得られます。この資格は大学側にも評価されており、進学後の差別化につながっています。
学校生活の特徴的な場面のひとつが「Morning Meeting(朝礼)」です。全校生徒が集まり、話を聞き、沈黙の中で思考する時間を持つこの伝統は、クエーカーの集会様式に由来しており、思慮深さと傾聴の力を育てる場として機能しています。また、ランチタイムは教員・生徒が混在してテーブルを囲むファミリースタイルで行われており、学年・肩書きの壁を越えた対話が生まれます。
小規模校ならではの「個への注目」も同校の大きな強みです。平均クラス規模は17〜20名と小さく、全ての生徒が担任・アドバイザー・教科教員から名前と個性を把握されています。学習の遅れや精神的な不調を早期に発見し、個別対応できる環境が整っています。9:1というアドバイザー比率も、この個別サポートを支えています。
課外活動においても質・量ともに充実しており、ディベート、Model UN、ジャーナリズム、学内ラジオ局、馬術、スキー、フィギュアスケートなど65以上のプログラムが用意されています。さらに毎年、カナダ学生リーダーシップ会議やクエーカー青少年リーダーシップ会議への参加機会があり、学外のリーダーシップ開発にも積極的に取り組む文化が根付いています。スペイン・オーストラリア・イギリスなどとの生徒交換プログラム、ヨーロッパへの春季ツアー、ペルーのマチュピチュへの遠征など、グローバルな実体験を積む機会も豊富です。
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