
「ノーブレス・オブリージュ」を体現する男子の全人教育——カナダ・オンタリオ州オーロラに広がる126エーカーのキャンパスに、1899年の創立以来126年以上の歴史を刻んできたのがSt. Andrew's College(セント・アンドリューズ・カレッジ、以下SAC)です。トロント中心部から車で約40分という好立地にありながら、まるで一つの町のような広大な敷地に、教室棟・寮・アリーナ・礼拝堂・劇場までが揃う、カナダを代表する男子名門校のひとつです。
SACは「Ridley College」「Upper Canada College」「Trinity College School」と並び、オンタリオ州で伝統的に「Little Big Four」と称されてきた名門私立校群の一角を担ってきました。この4校はいずれも創設当初は男子校としてスタートした歴史を持ちますが、Ridley CollegeとTrinity College Schoolはその後共学化しており、現在も男子校として続いているのはUpper Canada CollegeとSACの2校のみです。そうした中でもSACは、学業・スポーツ・芸術・リーダーシップの4本柱で"Complete Man(全人)"を育てるという建学の精神を、120年以上を経た今も守り続けています。

全寮制ではなく通学生と寮生が混在するタイプなので、いきなり全寮制に飛び込むのが不安なご家庭にも選ばれやすいのが特徴。カデット・コー(士官候補生プログラム)のような、日本ではなかなか経験できないユニークな伝統もあり、「息子を精神的にも一段強くしたい」という保護者の方への選択肢にもなっています。
基本情報
| 正式名称 | St. Andrew's College(セント・アンドリューズ・カレッジ) |
| 所在地 | オンタリオ州 オーロラ(トロント中心部から車で約40分) |
| 住所・地図 | 15800 Yonge Street, Aurora, ON L4G 3H7, Canada |
| 創立 | 1899年 |
| 生徒数 | 約660名(寮生・通学生合わせて、25以上の国と地域から入学) |
| 留学生比率 | 寮生の約半数が留学生(学校全体としての正確な留学生比率は非公開、詳細は個別にお問い合わせください) |
| 対象学年 | Grade 5〜12(Middle School:Grade 5〜8/Upper School:Grade 9〜12) |
| 入学時期 | 9月(通学生はGrade 5〜9のみ受付、寮生は通年でローリング審査) |
| 共学/別学 | 男子校 |
| カリキュラム | オンタリオ州カリキュラム+Advanced Placement(AP) |
| 寮の有無 | あり(Middle School/Grade9用1棟+Upper School用3棟の計4寮。全寮制ではなく通学生と混在) |
| 主な加盟 | CAIS(Canadian Accredited Independent Schools)/IBSC(International Boys' Schools Coalition)/NAIS/CASE |
| ホームページ | https://www.sac.on.ca/ |
| 公式SNS |
学校の概要と特徴
SACの教育理念は、学校のミッションステートメントにある「Dedicated to the development of the complete man, the well-rounded citizen(全人・自立した市民の育成)」という一文に集約されています。
単に学力の高い生徒を育てるのではなく、学業・スポーツ・芸術・奉仕活動・リーダーシップのすべてに触れさせることで、卒業までにバランスの取れた人格を形成させることを目指しているのが最大の特徴です。
その象徴的な存在が、1905年から120年近く続く「第142 St. Andrew's College Highland Cadet Corps(士官候補生プログラム)」です。

カナダ国内でも2番目の規模を誇るこのプログラムでは、パイプ&ドラムバンドの演奏や、毎年4月に行われる伝統の閲兵式(Cadet Inspection)などを通じて、規律・責任感・チームワークを実践的に学びます。学業面だけでなく、こうした"男の子を鍛える"独自プログラムに惹かれて入学を決めるご家庭も少なくありません。
また、SACは全寮制の学校ではなく、通学生(デイスチューデント)と寮生(ボーダー)が同じキャンパスで学ぶ「混合型」の学校です。日中はもちろん、放課後・週末のクラブ活動や寮生向けの週末プログラムにも通学生が参加できる場面が多く、通学生であっても寮生との強いつながりを築きやすい環境が整っています。初めての海外進学でいきなり全寮制に飛び込むのが不安な生徒にとっても、身近にロールモデルとなる寮生が多いこの環境は心強い選択肢になります。
ロケーション
SACが位置するオーロラ(Aurora)は、トロント中心部から車で北へ約40分、グレーター・トロント・エリア(GTA)の北端に広がる緑豊かな町です。都会の喧騒からは適度に距離を置きつつ、トロント・ピアソン国際空港へのアクセスも良好なため、留学生にとっても帰省や保護者の訪問がしやすい立地といえます。
オーロラ自体は治安の良い住宅地として知られ、周辺にはショッピングモールやスーパーマーケット、映画館などの生活インフラも一通り揃っています。学校が用意するシャトルバスを使えば、週末に買い物や映画に出かけることも可能で、「都市部の便利さ」と「落ち着いた学習環境」を両立させたい家庭に向いた立地です。トロントという北米有数の国際都市が近いことで、大学見学や企業インターン、文化施設へのアクセスといった面でも大きなアドバンテージがあります。
キャンパス・施設

126エーカー(東京ドーム約11個分に相当)という広大な敷地には、ジョージアン・リバイバル様式の伝統的な校舎を中心に、最新鋭の設備が整っています。
2014年に完成した「La Brier Family Arena(ラ・ブライヤー・ファミリー・アリーナ)」はホッケーチーム「Saints」の本拠地として利用されており、220万カナダドル規模の寄付によって実現した施設です。
スポーツ関連では、22種目・70以上のチームを支える「Bedard Athletic Centre」があり、その壁には歴代の代表チームの写真が1階・2階にわたって飾られ、伝統の重みを感じさせます。
学業面では図書館、そして250名を収容できる礼拝堂(Chapel)が校舎の中心部に位置し、入学案内オフィスや進学カウンセリングのオフィスとも隣接しています。芸術面では、毎年恒例の本格的な演劇公演が上演される「Wirth Theatre」もあり、キャンパスに足を踏み入れるだけで学業・スポーツ・芸術のすべてが同じ場所で完結する環境の充実ぶりが伝わってきます。なお、同キャンパスはNetflixドラマ「クイーンズ・ギャンビット」の撮影地としても使用されました。
寮・生活環境
SACの寮は、Middle School/Grade 9向けの1棟とUpper School向けの3棟、合計4つの寮で構成されています。各寮にはHead of House(寮長教員)やBoarding Don、当直教員が配置され、24時間体制で生徒の生活をサポートする体制が整っています。
全寮制ではないため、平日は寮生・通学生が一緒に授業を受け、放課後・週末は寮独自のプログラムに参加するというメリハリのある生活リズムが特徴です。
週末には、ナイアガラの滝やモン・トランブラン、NBA観戦、Ripley's水族館への訪問など、SACならではのエクスカーションプログラムが数多く用意されており、寮生活そのものが留学経験の大きな魅力の一つになっています。食事面では、専属のシェフチームが3種類のたんぱく質メニューとベジタリアンオプションを毎食用意し、アレルギーや食の好みにも配慮した献立が組まれています。就寝前には全生徒がスマートフォンなどの端末を専用のロッカーに預けるルールがあり、テクノロジーとの適切な距離感を身につけながら、学習習慣・睡眠習慣を整える工夫がなされている点も、保護者から評価されているポイントです。

- 4つの寮(Middle School/Grade9用1棟+Upper School用3棟)
- Head of House・Boarding Don・当直教員による24時間サポート体制
- 週末エクスカーション(ナイアガラの滝、NBA観戦 等)
- 専属シェフチームによる栄養バランスの取れた食事
- 就寝前の端末ロックアップによる生活リズムの管理
クラブ・スポーツ・アクティビティ

SACのスポーツプログラムは、22種目・70以上のチームという圧倒的なボリュームを誇ります。Upper Schoolの生徒は年3学期のうち2学期以上、Middle Schoolの生徒は全3学期でスポーツへの参加が義務付けられており、「文武両道」を制度として実現している点が大きな特徴です。所属リーグは、GTA地域の私立校が集うConference of Independent Schools Athletic Association(CISAA)で、伝統校同士のライバル関係の中で切磋琢磨できる環境が整っています。
季節ごとに提供される種目は、秋がクロスカントリー・サッカー・バレーボール・フットボール、冬がアルペンスキー・バスケットボール・カーリング・フェンシング・ホッケー・ノルディックスキー・スカッシュ・水泳、そして春がバドミントン・野球(ベースボール)・ゴルフ・ラクロス・ラグビー・テニス・陸上・トライアスロンと非常に幅広く、球技から冬季競技まで自分に合った種目を見つけやすい構成になっています。
特に野球部はCISAAリーグ内でも活発に活動しているプログラムのひとつで、アイスホッケー強豪校というイメージの強いSACですが、野球経験者・野球好きの生徒にとっても十分に活躍の場がある点は、意外と知られていない魅力です。
スポーツ以外にも、演劇・音楽・美術といった芸術系プログラム、写真部、校内放送「SAC TV」、ロボティクス、ディベート、地域奉仕活動など、課外活動の選択肢は多岐にわたります。加えて、前述のカデット・コー(士官候補生プログラム)は、パイプ&ドラムバンドの演奏など独自の伝統行事を伴う長期プログラムとして、SACの課外活動の核をなす存在です。
- 22種目・70以上のチーム(CISAA所属)
- 春シーズンに野球(ベースボール)部が活動
- Upper Schoolは年2学期以上、Middle Schoolは年3学期のスポーツ参加が必須
- カデット・コー、演劇・音楽・美術、ディベート、ロボティクス、地域奉仕活動 等
カナダの私立高校のスポーツプログラム全般については、スポーツで選ぶカナダ私立高校特集もあわせてご覧ください。
教育システム・カリキュラム
SACはIB(国際バカロレア)ではなく、オンタリオ州カリキュラムをベースにAdvanced Placement(AP)プログラムを充実させる方針を取っています。ビジネス・コンピューターサイエンス&エンジニアリング・演劇・英語・進路指導・保健体育・数学・現代言語・音楽・理科・美術・ワールドスタディーズの12学科体制のもと、AP化学・AP微積分・AP統計学・AP経済学・AP生物学・APコンピューターサイエンスなど、幅広いAP科目が用意されています。
特徴的なのが「AP Capstone」プログラムで、これは「AP Seminar」と、その履修が前提となる「AP Research」という2つの通年科目から成る、カレッジボード認定のディプロマプログラムです。通常のカリキュラムの枠を超え、複数分野にまたがるテーマでリサーチプロジェクトに取り組み、学術論文の執筆・プレゼンテーションまでを行う、大学進学後の研究活動を先取りするようなプログラムとなっています。また、Grade 8で「Reach-Ahead Math」プログラムを履修し好成績を収めた生徒は、Grade 9進級時に上級の数学クラスへ進むことができ、Grade 11以降でAP科目を履修する際の時間割の自由度が高まる仕組みも用意されています。

全生徒に配布されるコンバーチブル型タッチスクリーンデバイスを活用した「ワイヤレス・ラップトッププログラム」も特徴のひとつで、キャンパス全域の無線ネットワークと合わせて、日常的にテクノロジーを活用した学びが実践されています。APプログラムの詳細については、APとは(Advanced Placementの基礎知識)の記事もご参照ください。
進学サポート体制
SACの進学実績は、カナダの私立男子校の中でも際立っています。直近の卒業年度(2025年卒業生)では、130名の卒業生に対して合計596件の大学オファーが寄せられ、卒業生一人当たり平均4.5件のオファーを獲得した計算になります。進学先はトロント大学・クイーンズ大学・ウェスタン大学・ウォータールー大学といったオンタリオ州の主要大学に加え、アメリカ・イギリスをはじめとする海外の大学にも幅広く合格者を輩出しています。

「大学進学実績が良い=勉強漬け」というイメージを持たれがちですが、SACの場合はむしろ逆で、スポーツやカデット・コーなどの課外活動にしっかり関わってきた生徒ほど、大学の願書に書けるエピソードが豊富になり、結果として複数の大学からオファーをもらうケースが多い印象です。進学カウンセリングも早い学年から始まるので、「最終学年になって慌てて進路を考える」ということが起きにくいのも安心材料だと思います。
留学生サポート体制
SACには25以上の国と地域から生徒が集まっており、寮生の約半数が留学生という、名門校の中でも特に国際色の豊かな環境です。バミューダ・韓国・バハマ・メキシコ・香港・日本・台湾・フィリピン・ドイツ・インドネシア・スペイン・中国・ネパール・アメリカなど、実に多様な国・地域から集まった生徒同士が寮生活を共にすることで、教室の外でも異文化理解を深められる環境が自然と作られています。
寮生活そのものが留学生にとって「安心してカナダでの生活に慣れていくための土台」として機能している点もSACの特徴です。Head of HouseやBoarding Donによる24時間体制の見守り、専属の医療センター(保健室が寮内に設置)、そして週末のエクスカーションプログラムなど、学業面だけでなく生活面・精神面のサポート体制が幾重にも用意されています。初めて親元を離れて暮らす留学生にとっても、寮というコミュニティの中で先輩・同級生からサポートを受けながら徐々に自立していける仕組みが整っているといえるでしょう。
- 25以上の国・地域から生徒が在籍、寮生の約半数が留学生
- Head of House・Boarding Donによる24時間の生活サポート
- 寮内に医療センター(保健室)を設置
- 週末エクスカーションプログラムによる生活面のサポート
費用
最新の費用については、以下の料金表をご確認ください。学費・寮費・諸経費を含む詳細は、お気軽にお問い合わせください。





