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2026-07-17

カナダ高校留学で「帰りたい」と思ったら|ホームシックとの向き合い方

「ママ、もう帰りたい」——留学中のお子さんからこんな連絡が来たら、親としては胸が締めつけられるものです。本人にとっても、慣れない土地で心細さに押しつぶされそうな夜は、本当につらいものです。

でも、最初にお伝えしたいことがあります。「帰りたい」と感じるのは、留学の失敗ではありません。それは、海外で頑張っている証であり、ほとんどすべての留学生が通る自然な道です。このページでは、ホームシックがなぜ起こるのか、本人と親それぞれに何ができるのかを、現実的に整理します。

窓辺で物思いにふける学生のイメージ

「帰りたい」は、なぜ起こるのか

ホームシックは、意志の弱さや準備不足のせいで起こるものではありません。環境が大きく変わったときに、人の心が自然に示す反応です。慣れ親しんだ家族・友人・言葉・食事・生活リズム——そのすべてが一度になくなれば、誰でも心細くなります。

特に高校生の年代は、まだ心が発達の途中にあり、自分の感情をうまく言葉にできないことも多いものです。「なんとなくつらい」「理由はわからないけど帰りたい」という漠然とした形で現れるのが、この年代のホームシックの特徴です。

💡 知っておくと楽になること: ホームシックは「異常」ではなく「正常」な反応です。むしろ、まったくホームシックにならない子の方が少数派です。「うちの子は弱いのでは」と心配する必要はありません。それは、これまで築いてきた家庭の温かさの裏返しでもあるのです。
マイルストーンカナダ芦田
マイルストーンカナダ芦田

「帰りたい」と連絡が来ると、親御さんはとても動揺されます。でも、私が長年見てきた経験から言えるのは、その言葉のほとんどは「今夜がつらい」というSOSであって、「本当に留学をやめたい」ではないということです。人は不安なとき、一番安心できる相手に弱音を吐きます。お子さんが親に「帰りたい」と言えるのは、実は信頼関係がある証拠なんです。まずは慌てず、その気持ちを受け止めてあげてください。

ホームシックには「波」がある

ホームシックは、留学期間を通じて一定ではありません。多くの留学生が、時期によって異なる心の動きを経験します。この「波」を知っておくと、今どの段階にいるのかがわかり、対処しやすくなります。

渡航直後
ハネムーン期――最初の数週間は、新しい環境への興奮や緊張で、意外と元気なことが多い。すべてが新鮮で、忙しさもあり、ホームシックを感じる暇がない時期。
1〜3ヶ月後
最もつらい時期――新鮮さが薄れ、現実の壁(言葉・友人関係・孤独)に直面する。「帰りたい」が最も強く出るのがこの時期。ここが山場だが、裏を返せば「乗り越えれば楽になる」時期でもある。
3〜6ヶ月後
適応期――友人ができ、生活のリズムがつかめ、英語にも慣れてくる。ふとした瞬間に「あれ、最近ホームシックを感じていない」と気づく。ここまで来れば大きく前進。
半年〜
定着期――カナダの生活が「日常」になる。時々ホームシックがぶり返すこともあるが、対処できるようになっている。むしろ「日本に一時帰国すると物足りない」と感じる子も。
💡 大切なのは「山場を知っておくこと」: 1〜3ヶ月後が最もつらいと事前に知っておくだけで、「これは通る道だ」「もう少しで楽になる」と踏ん張れます。親御さんも、この時期に「帰りたい」の連絡が増えても、慌てずに済みます。つらさのピークは、回復の直前でもあるのです。

乗り越えるためにできること

ホームシックへの対処は、本人と親、それぞれの役割があります。両方がうまくかみ合うと、乗り越えるスピードが大きく変わります。

🙋 本人ができること
  • 生活のリズムを整える(睡眠・食事・運動)
  • 忙しくする。予定を詰めて考える隙を減らす
  • クラブ活動・スポーツに参加して仲間を作る
  • 小さな目標を立てる(今日は一言話しかける等)
  • つらい気持ちを一人で抱えず、誰かに話す
  • 「今がピーク」と自分に言い聞かせる
👨‍👩‍👧 親ができること
  • まず話を「聴く」。否定も説得もせず受け止める
  • 連絡の頻度を決めておく(頻繁すぎない)
  • 本人の小さな成長・頑張りを具体的に褒める
  • 「いつでも帰ってきていい」と安心の逃げ場を示す
  • 学校やエージェントと連携し、現地の状況を把握
  • 親自身が動揺しすぎない。どっしり構える
⚠️ 親がやってはいけないこと: よかれと思ってやりがちですが、逆効果になることもあります。「毎日何時間もビデオ通話する」と、かえって日本が恋しくなり現地に馴染めません。「頑張って」「みんな我慢してる」と励ましすぎるのも、本人を追い詰めます。また「そんなに嫌なら今すぐ帰っておいで」と親が先に動揺して結論を急ぐのも避けたいところ。まずは「つらいね、よく話してくれたね」と気持ちを受け止めることが、何よりの支えになります。
マイルストーンカナダ芦田
マイルストーンカナダ芦田

親御さんに一番お伝えしたいのは、「連絡を取りすぎないこと」です。心配だから毎日何時間も話したくなる気持ちは、痛いほどわかります。でも、それをやると本人が現地に根を張れなくなってしまう。心を半分日本に残したまま生活することになるからです。つらいですが、少し距離を取って見守ることが、結果的にお子さんのためになります。そして、現地に私たちのような相談相手がいれば、親御さんが抱え込まなくても、いざというときに手を差し伸べられます。

「帰りたい」が本物のSOSのときは

ここまで「ホームシックは乗り越えられる」とお伝えしてきましたが、すべてを「気の持ちよう」で片付けてはいけないケースもあります。次のようなサインが見られる場合は、単なるホームシックではなく、本人が本当に限界を迎えている可能性があります。

  • 食事が取れない、眠れない状態が続いている
  • 学校に行けなくなっている
  • いじめや深刻な人間関係のトラブルがある
  • 表情や声から生気が感じられない状態が長く続く
  • 「消えたい」など、心の危険を示す言葉が出る

こうしたサインがある場合は、無理に頑張らせ続けることが正解とは限りません。学校のカウンセラー・現地エージェント・医療機関と連携し、必要であれば一時帰国や転校、休学といった選択肢も含めて、本人の心身の健康を最優先に考える必要があります。

💡 「撤退」は失敗ではありません: もし本当につらいなら、一度日本に戻る選択も、決して失敗ではありません。留学は逃げ場のない場所であってはならないのです。「いざとなれば帰れる」という安心感があるからこそ、子どもは踏ん張れます。そして、一度戻っても、体制を立て直してまた挑戦することもできます。大切なのは、本人の心と体を守ることです。
マイルストーンカナダ芦田
マイルストーンカナダ芦田

ほとんどのホームシックは時間が解決してくれますが、ごく一部、本当に無理をさせてはいけないケースもあります。その見極めは、親御さんだけでは難しいこともあります。だからこそ、現地に信頼できる相談相手を持っておくことが大切なんです。私たちは、お子さんの様子を現地の目で確認し、「もう少し見守りましょう」なのか「一度手を打ちましょう」なのかを、一緒に判断するお手伝いをしています。一人で、あるいはご家庭だけで抱え込まないでください。

まとめ

  • 「帰りたい」は失敗ではなく、頑張っている証。ほぼ全員が通る道
  • ホームシックには波があり、1〜3ヶ月後が山場。乗り越えれば楽になる
  • 本人は生活リズムと仲間づくり、親は「聴く・見守る・安心を示す」
  • 連絡の取りすぎ・励ましすぎ・結論の急ぎすぎは逆効果
  • 本物のSOSのサインがあれば、無理をさせず心身の健康を最優先に
  • 現地に相談相手を持つことが、本人にも親にも安心につながる

ホームシックは、多くの場合、成長の通過点です。それを乗り越えた経験は、お子さんにとって「どこでもやっていける」という一生の自信になります。つらい時期を一人で、あるいはご家庭だけで抱え込まず、いつでもご相談ください。

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