
カナダの私立高校を検討している中で、クラブの紹介ページで「CISAA」という言葉を目にする事があります。これは、オンタリオ州の私立校に通う生徒が出場する、学校対抗のスポーツリーグの名前です。
高校留学の問い合わせでは、「この学校でサッカーはできますか」「アイスホッケーのチームはありますか」といった種目の相談も寄せられます。この記事では、CISAAの仕組みと日本の部活との違いを整理したうえで、CISAA加盟校のうち8校の実施種目を一覧で紹介します。

オンタリオ州の学校を検討しているご家庭から「野球部はありますか」「入ったら3年間続けられますか」といった質問を頂く事があります。日本の部活感覚で考えると戸惑ってしまう点があるかもしれません。まずは「シーズン制」の仕組みからお伝えするようにしています。
CISAAとは|オンタリオ州私立校のスポーツリーグ
CISAAは「Conference of Independent Schools Athletic Association」の略で、オンタリオ州の私立校どうしが対戦する学校対抗のスポーツリーグです。加盟校は38校で、4年生から12年生までの児童・生徒が参加します。
加盟校の多くはトロント周辺に集まっていますが、オンタリオ州東部の学校や、アメリカ・ニューヨーク州バッファローのNichols Schoolも加わっています。各校のアスレチック・ディレクター(体育部門の責任者)は毎シーズンの初めに集まり、試合日程やリーグ運営を話し合います。
リーグは同じ種目でも年齢区分や競技レベル、リーグ構成によって複数のディビジョンに分けて運営されています。指導者の育成にも力を入れており、2021年からは、コーチがカナダの公認コーチ資格制度(NCCP)の研修修了資格を取得できるよう、専用の研修計画を導入しています。

CISAAのサッカー種目で優勝した際のSt. Andrew's Collegeチーム
CISAAとCIS Ontarioの関係
CISAAを運営しているのは、オンタリオ州の私立校協会であるCIS Ontario(Conference of Independent Schools of Ontario)です。CIS Ontarioは1983年に法人化された団体で、加盟校向けに教員研修や芸術系のフェスティバルなども運営しています。そのうちスポーツ部門にあたるのがCISAAです。
※CAISはCIS Ontarioの上部組織ではなく、それぞれ独立した団体です。
CISAAの38校は、すべてCIS Ontarioの加盟校です。ただし、CIS Ontarioに加盟していても、CISAAのリーグに参加していない学校もあります。オンタリオ州の私立校であれば必ずCISAAで試合をしている、というわけではない点は覚えておくと役立ちます。
CISAAの種目|秋・冬・春のシーズン制
CISAAの試合は、学年を秋・冬・春の3シーズンに分けて行われます。公式サイトでシーズン別に案内されている種目は次のとおりです。
| 秋(9月〜11月頃) | 冬(11月〜3月頃) | 春(4月〜5月頃) |
|---|---|---|
| サッカー バスケットボール バレーボール 水泳 クロスカントリー フィールドホッケー アメリカンフットボール フラッグフットボール |
アイスホッケー バスケットボール バレーボール 水泳 バドミントン アルペンスキー ノルディックスキー スノーボード スカッシュ カーリング フットサル |
野球 ソフトボール スローピッチ サッカー テニス バドミントン 陸上競技 ゴルフ ラグビー ラクロス アルティメット |
バスケットボールやバレーボール、サッカーのように複数のシーズンに登場する種目は、男女で時期が分かれていることがよくあります。たとえばLakefield College Schoolでは、女子バスケットボールが秋、男子が冬に行われています。表のシーズンの月はBranksome Hallの案内をもとにした目安で、学校によって多少前後します。
なお、ローイング(ボート競技)はCISAAの種目には含まれていません。ローイングに力を入れている学校は、学校対抗のレガッタ(ボート大会)など別の枠組みで大会に出場しています。
BC州との違いも一つ押さえておきましょう。BC州の高校スポーツを統括するBC School Sportsは学校対抗の野球を扱っていませんが、CISAAには春の種目として野球があります。高校で野球を続けたい場合、この点がオンタリオ州を選ぶ理由の一つになります。
日本の部活との違い
CISAA加盟校のスポーツは、日本の部活とは仕組みが大きく異なります。代表的な違いを表にまとめました。
| 項目 | 日本の部活(一般的な例) | CISAA加盟校 |
|---|---|---|
| 活動期間 | 1年を通じて同じ部に所属 | シーズンごとに活動。約3か月で一区切り |
| 掛け持ち | 基本的に1つの部 | シーズンが違えば別の種目に挑戦できる |
| 入部の方法 | 希望すれば入部できることが多い | 上位チームはトライアウト(選考)で決まる |
| チーム編成 | 学年混合で1チーム | 年齢区分やレベル別に複数のチーム |
| 参加の位置づけ | 任意参加の学校が多い | 全員が毎シーズン何らかの運動に参加する学校もある |
シーズンごとに種目を選ぶ
最大の違いは、1年を通じて1つの競技に打ち込むのではなく、シーズンごとに種目を選べることです。秋はサッカー、冬はバスケットボール、春は陸上というように、1年で3つの競技を経験する生徒も珍しくありません。
全員参加を基本とする学校も多くあります。Lakefield College Schoolでは、すべての生徒が年間を通して、競技チームまたはレクリエーションを含む身体活動系の課外活動に参加します。St. Andrew's Collegeも、1年を通じて全生徒がスポーツに取り組むことを方針に掲げています。
レベル別に複数のチームがある
同じ種目でも、競技志向の上位チームから、初心者が技術を身につける育成チームまで、複数のチームを持つ学校が一般的です。Albert Collegeでは各シーズンに「競技」「育成」「レクリエーション」の3段階を用意しており、Lakefield College Schoolでは1st(トップ)、2nd、Jr.(下級生)とチームを分けています。経験の浅い生徒でも、自分のレベルに合ったチームで続けられる仕組みです。

シーズンごとに違う競技を試せるのは、留学生にとって大きなチャンスです。日本でやったことのない競技でも、育成レベルのチームなら初心者を歓迎してくれることが多いです。英語に自信がない時期こそ、チームでの練習や遠征が友達づくりの近道になります。
留学生がチームに入るときの注意点
シーズン制は魅力的な仕組みですが、留学生ならではの注意点もあります。渡航前に知っておきたいポイントを整理します。
トライアウトは新学期の直後に始まる
上位チームの選考は、シーズンの始まりにすぐ行われます。たとえばBranksome Hallでは、秋シーズンのトライアウトを9月の最初の2週間、冬シーズンを11月の第2週から第3週に実施しています。9月に入学する留学生は、到着して間もなく選考を受けることになります。
トライアウトの結果、希望したレベルのチームに入れないこともあります。最終的にチームを決めるのはコーチです。下のレベルのチームから始めて、翌年に上位チームを目指す生徒も多くいます。
年齢区分を用いる競技が多い
CISAAのチームは、学年ではなく年齢で区分されます。Branksome Hallの案内によると、2025〜26年シーズンでは、その年の12月31日時点で16歳未満がジュニア、20歳未満がシニアの対象です。学校によってはU14・U16・U20のように年齢をそのまま名前に使っています。日本の学年とカナダの学年がずれる場合は、どの区分に入るかを確認しておきましょう。
上位チームほど練習と試合の負担が大きい
ハイパフォーマンス(競技特化)プログラムを持つ学校では、CISAAの枠を超えて北米の強豪校と試合をすることもあります。Ridley Collegeの男子アイスホッケーのトップチームは、2つのリーグに所属し、年間およそ60試合を戦います。授業との両立には、時間管理の力が欠かせません。
英語でのコミュニケーションが前提です。練習中の指示も、チームミーティングも英語で行われます。最初は戸惑っても、競技の動きは言葉がなくても伝わる部分が多く、続けるうちに慣れていきます。不安がある場合は、育成レベルのチームから始めるのも一つの方法です。
マイルストーンカナダ取り扱いのCISAA加盟校
マイルストーンカナダが取り扱う学校のうち、CISAAに加盟しているのは次の8校です。まずは主要種目の実施状況を一覧で確認し、そのあと各校の特徴を紹介します。
主要13種目の実施状況
日本でも人気の種目と、カナダならではの種目を中心に13種目を選びました。表は横にスクロールできます。
| 種目 | Albert | Appleby | Lakefield | Pickering | Ridley | Branksome | St. Andrew's | UCC |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| サッカー | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| バスケットボール | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| バレーボール | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 野球 | - | - | - | - | - | - | ○ | ○ |
| テニス | - | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
| バドミントン | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 陸上競技 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 水泳 | ○ | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
| アイスホッケー | - | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ラグビー | - | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
| スキー(アルペン) | - | - | ○ | - | - | ○ | ○ | ○ |
| ローイング | - | - | ○ | - | ○ | ○ | - | ○ |
| ゴルフ | ○ | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
○:各校の公式サイトで、高校生年代が参加する対外試合チームを確認できた種目 -:公式サイトでは確認できなかった種目
男女いずれかのチームがあれば○としています。Branksome Hallは女子校、St. Andrew's CollegeとUpper Canada College(UCC)は男子校です。チーム構成は年度によって変わるため、最新の情報は各校にご確認ください。
表を見ると、サッカー・バスケットボール・バレーボール・陸上競技は8校すべてで確認できました。一方、野球のチームを確認できたのはSt. Andrew's CollegeとUpper Canada Collegeの2校だけです。ほかの学校では、ソフトボールが春の種目として行われているケースが多く見られます。
共学校
女子校
男子校

保護者の方には、種目があるかどうかだけでなく、練習の頻度や遠征の有無も確認していただくようお伝えしています。上位チームになるほど放課後の練習が増え、週末に試合が入ることもあります。勉強との両立を考えて、お子さんに合ったレベルのチームを選ぶことが大切です。
種目から学校を選ぶときのポイント
やりたいスポーツが決まっている場合は、学校選びの段階で次の点を確認しておくと安心です。
- 高校生年代のチーム:種目があっても、中学生年代のチームだけということがあります。Pickering Collegeの場合、公式サイトで公開されている競技チームのうち、アイスホッケーは14歳以下のチームのみです。
- 男女どちらのチームか:共学校でも、種目によって男子だけ、女子だけのことがあります。Ridley Collegeの高校生年代の競技チームでは、バレーボールとソフトボールは女子チームのみが案内されています。
- 野球とソフトボールの違い:野球を続けたい場合は特に注意が必要です。取り扱い8校のうち、野球のチームを確認できたのは2校でした。
- 学校外のリーグへの参加:競技レベルを重視するなら、CISAA以外のリーグやハイパフォーマンスプログラムの有無も確認しましょう。
- CISAAにない種目の受け皿:卓球・剣道・柔道などはCISAAの種目にありません。校内クラブや地域のクラブチームで続けられるかを確認します。Lakefield College Schoolには、通年活動の卓球クラブがあります。

アイスホッケーやスキーのように用具が必要な種目は、日本から持っていくか現地で揃えるかを、出発前に一緒に決めておくと安心です。9月のトライアウトに間に合わせたい場合は、渡航準備の早い段階からご相談ください。
まとめ
CISAAは、CIS Ontarioに加盟する38の私立校が参加するスポーツリーグです。秋・冬・春のシーズン制で、1年に複数の競技を経験でき、レベル別のチーム編成で初心者から競技志向の生徒まで受け入れています。
一方で、実施している種目やチームの年齢区分は学校ごとに異なります。特に野球やアイスホッケーのように学校によって有無が分かれる種目は、早めの確認が欠かせません。お子さんがやりたいスポーツと、学校の環境が合っているかどうか、マイルストーンカナダのカウンセラーが一緒に確認します。
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