- Grade 10〜12の教科単位(英語・数学・理科・社会・選択科目)
- オンタリオの1単位が、BCの4単位として換算されます
- 認定できる単位数に上限はありません
- 審査に手数料はかかりません
- Grade 9で取った単位(BCは数える対象外)
- キャリア教育科目(BC独自・計8単位)
- 先住民関連の科目(BC独自・4単位)
- BC州の統一アセスメント(必ず受験)
- Grade 10〜12の教科単位(BCの4単位=オンタリオの1単位)
- Grade 9で学んだ内容も評価対象になります
- 必修が足りない場合、一定の範囲で他科目への振替が認められます
- ボランティア時間は校長の判断で調整されることがあります
- フランス語の必修(BCには対応科目がない)
- カナダ地理(オンタリオではGrade 9の必修)
- 識字テスト(OSSLT)は必ず受験
- オンライン科目2単位/金融リテラシー要件
- これまでの成績を点数(%)で転記してもらえるか
- 何単位が認定され、あと何単位必要かを書面で出してもらえるか
- 不足している必修を、いつ・どの科目で埋めるのか
- 州の卒業テストをいつ受けるのか
-
転校を考え始めたら、まず現在の学校で科目構成を確認どの科目が前期・後期のどちらに配置されているかを把握します。ここが後の判断材料になります。
-
移り先の学校に「単位認定の見込み」を書面で依頼出願の段階で、何単位が認定され、あと何が必要かを出してもらいます。口頭ではなく書面で受け取るのが重要です。
-
今の学年を最後まで通いきる(6月まで)未修了の科目は単位になりません。数か月を惜しんで1年分の学習を失わないようにします。
-
成績証明書とシラバスを揃える履修時間数が書かれた書類があると、同等性の判断がスムーズに進みます。
-
9月の新学期から新しい学校へカナダの学年の区切りに合わせることで、単位のロスも学習面の混乱も最小限に抑えられます。
- 教科の単位は、州が変わっても原則として引き継がれます
- オンタリオの1単位=BCの4単位。数字は変わっても中身は同じ
- オンタリオ→BCではGrade 9の単位が数えられなくなります
- BC→オンタリオではGrade 9の学習が評価対象に戻ります
- 引き継げないのは、その州独自の必修と卒業テスト
- 学期の途中で動かないことが、最も大切な原則です
- 成績が点数で記載されるかどうかを、必ず確認しましょう
- 英語力の伸びが犠牲になることがある――単位取得を急ぐと、じっくり英語を身につける時間が減る。留学の目的が「英語力」なら本末転倒になりかねない
- 大学進学に必要な科目・成績が疎かになる――大学出願には特定科目の履修や良い成績が必要。急ぎすぎると進学の選択肢を狭めることも
- 現地生活・友人関係を築く時間が減る――留学の価値は勉強だけではない。人間関係や異文化体験も大きな財産
- 学習負荷が高くなる――短期間に単位を詰め込むと、日々の勉強量が増えて負担が大きくなる
- オンライン出願フォームの記入
- 直近2〜3年分の成績証明書(英訳付き)
- 在籍校の推薦状(英語)
- 志望理由書 / パーソナルエッセイ(学校により任意)
- 英語力スコア(下記タイプ別を参照)
- 出願料(CAD $100〜$300程度)
- パスポートのコピー
- カナダでの普及: カナダは米国以外でAPが最も盛んな国の一つです。多くの州立・私立高校で導入されており、特に進学校(アカデミック校)では標準的に提供されています。ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)などでは、大学1年生の50%以上が少なくとも1科目のAPを履修しているというデータもあります。
- 世界的な認知度: 現在、世界140カ国以上、約2万校の高校で導入されています。北米(米国・カナダ)だけでなく、英国、オーストラリア、欧州、アジアなど、世界中の4,000以上の大学が入試の評価対象や単位認定の対象として採用しています。
- 進学実績を重視する私立・公立高校: 大学進学を前提とした「アカデミック・トラック」を持つ学校です。
- コース選択の柔軟性を重視する学校: IB(国際バカロレア)が「全科目をバランスよく学ぶパッケージ」なのに対し、APは**「得意な1科目から履修できる」**のが特徴です。そのため、生徒の個性を伸ばしたい学校が好んで採用します。
- 北米の大学への進学に強い学校: 米国やカナダの難関大学を目指す生徒が多い学校では、AP科目の充実度が学校選びの指標の一つになります。
- 学費の節約: 単位が認定されれば、その分の学費を払わずに済みます。
- 飛び級・早期卒業: 1学期分、あるいは1年分の単位を高校時代に取得し、早期卒業する学生も珍しくありません。
- 学習内容の例:
- Limits and Continuity(極限と連続性): 関数の挙動を極限まで分析します。
- Differentiation(微分): 変化率や曲線の傾きを求め、物理的な運動や最適化問題に応用します。
- Integration(積分): 面積や体積を求めるだけでなく、蓄積される量の計算に応用します。
- ここが「大学レベル」: 単に計算式を解く力だけでなく、「なぜその公式が成り立つのか」という概念の理解や、現実世界の複雑な現象(例:ロケットの加速や感染症の広がり)を数式に落とし込む記述力が求められます。
- 将来の進路: 工学、コンピュータサイエンス、物理学、経済学、医学など。
- 学習内容の例
- Biological Bases of Behavior(行動の生物学的基礎): 脳の構造や神経伝達物質が、感情や行動にどう影響するかを学びます。
- Cognitive Psychology(認知心理学): 記憶の仕組み、忘却の原因、言語習得のプロセスを分析します。
- Social Psychology(社会心理学): 集団心理、偏見、服従など、他者との関わりの中で生まれる心理現象を学びます。
- ここが「大学レベル」: 心理学の実験手法や統計データの読み方も学びます。単なる読み物としての心理学ではなく、科学的根拠(エビデンス)に基づいて人間を理解する「行動科学」としての視点を養います。
- 将来の進路: 心理療法士、マーケティング、人事、教育、法執行機関(プロファイリングなど)など。
- Multiple-Choice Questions (MCQ): 選択式の問題。正確な知識とスピードが求められます。
- Free-Response Questions (FRQ): 記述式の問題。計算過程の説明、実験のデザイン、あるいは与えられた資料を分析してエッセイを書くなど、論理的思考力が試されます。
- 教育委員会への申請
- 学校の空き状況確認
- ホームステイ先の手配(多くの場合、教育委員会指定)
- 最終的な学校配置の決定
- Academic:大学進学を目指す生徒向け。理論や概念の深い理解を重視。
- Applied:カレッジや実務進学向け。実践的・応用的な内容が中心。
- University:Grade 11・12で大学進学に直結するコース。
- College:専門学校・カレッジ進学向けのコース。
- Workplace:就労を目標とするコース。
- Open:進路を問わず誰でも履修できる科目。
- 英語(English): 4単位(各学年1単位ずつ)。留学生はESLを3単位までカウントできますが、Grade 12の英語は必須です。
- 数学(Mathematics): 3単位(Grade 11または12で少なくとも1単位)。
- 理科(Science): 2単位。
- カナダの歴史・地理: 各1単位。
- 芸術(Arts): 1単位。
- 体育(Health and Physical Education): 1単位。
- フランス語(French as a Second Language): 1単位。
- 技術(Technological Education): Grade 9または10で1単位(最新の義務化項目)。
- キャリア・シチズンシップ: 各0.5単位。
- 80単位の取得
必修科目(52単位)と、自分の興味・進路にあわせて選ぶ選択科目(28単位)、合計80単位以上を取得します。Grade 10〜12(日本の高校1〜3年相当)が主な取得期間です。それぞれの学年でしか取得できない科目があるため、一般的に最低2~3年間かかります。(私立校はカリキュラムが柔軟なため2年未満でとれる場合あり) - 州一斉学力査定(Provincial Assessments)の受検
州教育省が実施する「数理能力」と「読解・記述能力」を測る計3つのテストを受検します。これは合否を決めるものではなく、生徒の習熟度を4段階で評価し、成績表に反映されるものです。
受験科目:Numeracy 10, Literacy 10/12 - キャリア教育(仕事経験と卒業プロジェクト)
将来のキャリア形成について学ぶ科目(CLE/CLC)を履修し、その集大成として「卒業制作(キャップストーン)」を完成させます。キャリアプログラムには、30時間以上のボランティアまたは就業体験の義務も含まれます。
-
Grade 10 数理能力(Numeracy 10)
数学の知識を実生活の課題にどう応用するかを測ります。 -
Grade 10 読解・記述能力(Literacy 10)
情報を分析し、自分の考えを伝える力を測ります。 -
Grade 12 読解・記述能力(Literacy 12)
卒業レベルの高度な思考・表現力を測ります。 - TOK(知識の理論)――「私たちはどうやって知識を得るのか」を問い続ける哲学的な授業。文系・理系問わず全員が受講する。
- EE(課題論文)――自分で研究テーマを設定し、4,000語の論文を執筆する。大学の卒業論文の縮小版にあたる。
- CAS(創造・活動・奉仕)――スポーツ、芸術活動、ボランティアなどへの参加記録。学外での実践的な経験を義務化。
- 読み書き(英語)が比較的得意、または鍛える意欲がある
- 答えが一つでない問いに興味を持てる
- スポーツ・芸術・ボランティアなど授業外活動にも積極的に取り組める(CAS要件)
- 課題の締め切り管理など、自己管理が比較的できる
- 将来カナダ・北米・欧州の大学への進学を視野に入れている
- 子どもが「探究型の学び」に適応できそうか(学習スタイルの確認)
- 英語での読み書き・ディスカッションへの準備ができているか
- 志望する大学・進路でIBが有効活用されるか
- 検討している学校のIB実績(ディプロマ取得率・平均スコア)を確認する
- IB校の中でも、サポート体制(特にEEや内部評価のフォロー)に差があることを知っておく
- 教育の質が第三者によって検証されている――州の教育省による最低基準のクリアだけでなく、独立した外部機関によって「国際水準の教育実践」が確認されている
- 留学生受け入れ体制が基準に含まれている――「留学生のウェルフェア(安全と福祉)」は12の基準のひとつ。ホームステイや寮のサポート、緊急時の対応体制なども審査対象
- 財務・運営の健全性が確認されている――学校が突然閉校するリスクを低減。留学費用を支払った後に学校が経営危機に陥るような事態を避けるための指標にもなる
- 国際的な認知度がある――CAISはICAISA(国際独立学校認定評議会)の正式メンバーであり、認定基準が国際的に通用するレベルにある
- 学校が自主的に申請する仕組み――強制参加ではないため、CAIS加盟を選んだ学校はそれだけ「品質向上への意志」を示していると言える
- 教育・運営・財務・留学生サポートが国際水準で第三者評価されている
- 定期的な再審査により、認定後も継続的な改善が義務づけられる
- 「CAIS加盟」は強制ではなく自主的な申請なので、学校側の品質改善への意志の表れでもある
- 州の認可(AISBC等)とは別の評価軸。両方を確認することでより立体的な学校理解ができる
- 約95校という絞り込まれた数の学校のみが認定を受けており、希少性がある
カナダの州をまたぐ転校――単位で損をしないための基礎知識

「BC州の学校とオンタリオ州の学校、どちらも気になっている」——マイルストーンカナダにご相談いただく保護者の方から、とてもよくお聞きする状況です。そして必ずといっていいほど続くのが、この質問です。
「もし途中で州をまたいで転校することになったら、それまでに取った単位はどうなるんですか?」
結論からお伝えすると、カナダ国内の州をまたぐ転校では、教科の単位は原則として引き継がれます。制度としてきちんと守られているので、「ゼロからやり直し」ということはまず起こりません。
ただし、そのまま全部が横滑りするわけでもありません。BC州とオンタリオ州では単位の数え方そのものが違い、州ごとの独自ルールもあるためです。このページでは、双方向の引き継ぎルールを、できるだけ数字を追わずに理解できる形で整理しました。
細かい話に入る前に、全体像をつかんでおきましょう。この3つを知っておくだけで、学校選びのときの不安はかなり軽くなるはずです。
原則そのまま使える
まったく違う
「その州だけのルール」
両州の一番大きな違いは、1科目あたりの単位の数え方です。ここを取り違えると「単位が4分の1になってしまった」と驚いてしまうので、最初に整理しておきます。
この換算レートを頭に入れたうえで、両州の卒業条件を並べてみます。
| 比較項目 | オンタリオ州(OSSD) | BC州(Dogwood) |
|---|---|---|
| 卒業に必要な単位 | 30単位 | 80単位 |
| 1科目あたり | 1単位(110時間) | 4単位 |
| 数える学年 | Grade 9〜12(4年分) | Grade 10〜12(3年分) |
| 卒業テスト | 識字テスト(OSSLT)1種類 | 州統一アセスメント(数的思考・読解力) |
| その州だけの条件 | ボランティア40時間/オンライン科目2単位/フランス語1単位 | キャリア科目8単位/先住民関連4単位 |
オンタリオ州はGrade 9から、BC州はGrade 10から単位を数えます。この1年のズレが、転校の方向によって有利にも不利にも働きます。詳しくはこの後のセクションでご説明します。

ご相談の現場でいちばん多い誤解が、この「単位の数え方の違い」です。オンタリオで8単位取ったお子さんが「BCでは32単位になります」とお伝えすると、たいてい驚かれます。逆にBCからオンタリオへ移る方は、数字が4分の1になるので不安になられる。でも中身は同じものを、違うものさしで測っているだけなんですね。まずはここを切り離して考えていただくと、その後の話がすっと入ってきます。
ケース① ON州からBC州へ
オンタリオ州の学校からBC州の学校へ移るケースです。BC州教育省は「原則として、カナダの他州で履修したコースには同等性による単位を付与すべき」という方針を明確に示しており、教科の単位はスムーズに引き継がれます。
オンタリオ州はGrade 9から単位を数えるため、多くの生徒はGrade 9の1年間で8単位ほどを取得しています。ところがBC州はGrade 10からしか数えないため、このGrade 9分は卒業単位としてはカウントされません。
ただし、これは「1年間が無駄になる」という意味ではありません。BC州はもともとGrade 10〜12の3年間で80単位を積み上げる設計なので、Grade 10以降をきちんと履修していれば、単位が足りなくなることは通常ありません。「早めに移るほど影響が小さい」と覚えておいてください。
BC州には、オンタリオ州に対応する科目が存在しない必修があります。これらは移った先で新たに履修することになります。
| BC州の必修 | 単位 | 内容 |
|---|---|---|
| キャリア教育科目 | 8単位 | 進路設計を学ぶ科目と、卒業前にまとめる集大成の課題。学校の指導のもとで行う必要があります |
| 先住民関連科目 | 4単位 | 2023年度から加わった比較的新しい必修です |
先住民の視点から学ぶ英語科目(English First Peoples 12)を選ぶと、「英語の必修」と「先住民関連4単位」を1科目で同時に満たせます。時間割に余裕がないお子さんには有効な選択肢なので、学校のカウンセラーに相談してみてください。
BC州には卒業のための州統一アセスメントがあり、他州から移ってきた生徒も受験が必要です。ただし転入時期によって扱いが変わります。
| アセスメント | Grade 11以降に転入した場合 |
|---|---|
| 読解力(Grade 10相当) | 免除されます |
| 数的思考(Grade 10相当) | 受験が必要 |
| 読解力(Grade 12相当) | 受験が必要 |
数的思考のテストは、計算力そのものより「日常的な場面で数字をどう使うか」を英語で読み解く力が問われます。日本で数学が得意だったお子さんでも、英語の読解でつまずくことがあります。卒業までに3回まで挑戦できるので、早めに一度受けておくと安心です。
ケース② BC州からON州へ
逆方向の転校です。オンタリオ州では、州外から来た生徒について校長が成績証明書をもとに同等性評価を行い、何単位を認定し、あと何単位が必要かを判断します。
ON州→BC州では消えてしまったGrade 9ですが、この方向では逆に味方になります。オンタリオ州はGrade 9から数えるため、BC州では卒業単位に算入されなかったGrade 9の学習も、評価の対象に含まれるからです。
BC州の80単位はオンタリオ州の20単位に相当し、それだけでは30単位に届きません。しかしGrade 9の1年分が加わることで、この差はかなり埋まります。
オンタリオ州ではフランス語が必修(1単位)です。BC州の高校では必修ではないため、BC州から移ってきた生徒の多くは、この単位を持っていません。同じくGrade 9必修のカナダ地理も、BC州には対応科目がないことが一般的です。
オンタリオ州では、校長の判断で必修科目のうち3単位までを他の科目に振り替えられる仕組みが用意されています。フランス語やカナダ地理が足りない場合、この振替でカバーできるケースが多く、実務上はここが安全弁として機能します。振り替えた内容は成績証明書に記載されます。
オンタリオ州の卒業には、教科の単位以外にもいくつかの条件があります。転入生の扱いを整理すると次のとおりです。
| 条件 | 転入生の扱い |
|---|---|
| 識字テスト(OSSLT) | 必ず受験が必要。不合格でも再受験でき、代替の科目を履修する道もあります |
| ボランティア40時間 | 校長が必要時間数を判断。他州での活動記録が認められる場合もあります |
| オンライン科目2単位 | 校長が、これまでの学習内容から充足状況を判断します |
| 金融リテラシー要件 | 2026年度から順次導入。Grade 10のキャリア科目の中で実施されます |
オンタリオ州には、「オンタリオでの単位がなく、高校を3年以上修了している生徒は、Grade 11または12の科目で最低4単位をオンタリオで取得する必要がある」というルールがあります。つまり最終学年だけオンタリオに移って卒業証書だけ受け取る、ということはできません。転校を考えるなら、遅くともGrade 11のうちに動くのが現実的です。
ここまで方向別に見てきましたが、実は方向に関係なく効いてくる注意点が3つあります。むしろ、こちらのほうが実務上のダメージは大きくなりがちです。
これが最も見落とされがちで、最も影響の大きいポイントです。履修が終わっていない科目は、単位として認定されません。そして単位になっていないものは、移った先での同等性評価の対象にもなりません。
たとえば9月から始まった学期を4月の時点で離れると、その学期に取っていた科目はすべて未修了となり、数か月分の学習がまるごと単位として残らないことになります。「日本の新学期に合わせて4月に移りたい」というご相談はよくいただくのですが、単位のことだけを考えれば、学年が終わる6月まで通いきるのが圧倒的に有利です。
Grade 10で移るのと、Grade 12で移るのとでは、難易度がまったく違います。高学年になるほど、移った先の必修を消化する時間が足りなくなるからです。
| 転校のタイミング | 難易度 | ひとこと |
|---|---|---|
| Grade 10が終わってから | ◎ 余裕あり | 残り2年で新しい州の必修を無理なく消化できます |
| Grade 11が終わってから | △ 要精査 | 1年に必修が集中します。事前の単位確認が必須です |
| Grade 12の途中 | × 非推奨 | 期限内の卒業が難しくなります |
意外と知られていないのが、この点です。他州から移ってきた単位は、成績証明書に点数(%)で記載される場合と、「移行済み」という記号だけで記載される場合があります。
記号だけになってしまうと、その科目の成績が数値として残らないため、大学出願時の成績計算に反映されません。BC州の運用資料でも、記号での処理は進学の選択肢に長期的な影響を及ぼしうるため、可能な限り点数を割り当てるべきとされています。

単位の数は足りているのに、成績が数値で残っていなかったために大学出願で苦労した——というケースを、これまで何度か見てきました。転校の相談というと、どうしても「何単位引き継げるか」に意識が向きがちですが、実は「どう記載されるか」のほうが、あとから効いてくることがあります。転入手続きのときに一言お願いしておくだけで防げる話なので、私たちは必ずここを確認するようにしています。
ここまでは「カナダ国内で転校する場合」の一般的な話でしたが、日本から来た留学生の場合、もう一つ知っておきたいルールがあります。
BC州には、カナダ到着前の2年間を英語(またはフランス語)以外で学んできた留学生について、一部の主要科目は必ずBC州の学校で履修しなければならないという決まりがあります。対象になるのは、Grade 11以上の英語・数学・理科・社会と、キャリア教育科目です。
このルールが効いてくるのは、Grade 11以上の単位を他州から持ち込もうとしたときです。
たとえばオンタリオ州でGrade 10まで修了してBC州へ移る場合、持ち込む単位はすべてGrade 10のものなので、このルールとは重なりません。実質的な不利益は生じません。
一方、オンタリオ州でGrade 11まで修了してから移る場合は、英語・数学・理科・社会の4科目がBC州で取り直しになります。同じ「1年ずれるだけ」でも、負担がまったく違ってきます。
お子さんが日本の中学から直接カナダの高校に入った場合、この2年ルールの対象になることがほとんどです。州をまたぐ転校の可能性が少しでもあるなら、Grade 10の終わりまでに動くのが最も安全とお考えください。
ここまでの内容をまとめると、理想的な進め方は次のようになります。
ここまでお読みいただいてお分かりのとおり、州をまたぐ転校はやってできないことではないけれど、確実に手間は増えるというのが実際のところです。
だからこそ、最初の学校選びの段階で「この子は卒業までここで過ごせそうか」を丁寧に見極めることが、いちばんの近道になります。私たちがBC州・オンタリオ州の両方を扱っているのは、ご家庭の希望に合う学校を、州にとらわれずに提案するためです。
単位の話は数字が多く、最初はとっつきにくく感じられるかもしれません。ただ、実際に必要な判断は「いつ動くか」と「何を書面で確認しておくか」の2つに集約されます。ここさえ押さえておけば、州をまたぐ転校は決して怖いものではありません。
マイルストーンカナダはBC州・オンタリオ州の両方に提携校を持ち、現地スタッフが学校とのやり取りを直接行っています。単位の引き継ぎや学校選びについて気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
ご相談・お問合せ
単位の引き継ぎや学校選びの不安、州の選び方など、カナダ現地の経験豊富なカウンセラーが親身にお答えします。
もっと気軽に聞きたい方へフォーム入力が手間な方、まずは一言だけ聞いてみたい方は、LINEでもご相談を受け付けています。LINEで相談する
カナダの高校は3年間じゃない?――日本と違う学年制度と留学の期間

「高校は3年間通うもの」——日本で育った私たちにとっては当たり前の常識です。しかし、カナダの高校には、この「3年間」という考え方が当てはまりません。入学のタイミングも、卒業までの期間も、日本とはまったく異なる仕組みで動いています。
「カナダの高校は何年で卒業できるの?」「途中から入れるの?」「最短だとどのくらい?」——このページでは、日本とは違うカナダの学年制度と、留学期間の考え方をわかりやすく解説します。仕組みを理解すれば、お子さんに合った留学プランが見えてきます。
まず、日本とカナダの高校制度がどう違うのかを整理しましょう。最大の違いは、日本が「学年制」、カナダが「単位制」だという点です。
| 比較項目 | 🇯🇵 日本の高校 | 🍁 カナダの高校 |
|---|---|---|
| 基本の仕組み | 学年制(1〜3年で進級) | 単位制(必要単位を取れば卒業) |
| 高校の期間 | 3年間(高1〜高3) | 州により異なる(Grade 8〜12 または 9〜12) |
| 卒業の条件 | 3年間の在籍と単位取得 | 規定の単位数を満たせば卒業 |
| 入学時期 | 基本4月の年1回 | 9月が主。学校により1月や随時も |
| 留年・飛び級 | 比較的まれ | 単位ベースなので柔軟 |
この違いが、「カナダの高校は3年間じゃない」と言われる理由の核心です。カナダでは「何年通ったか」ではなく「必要な単位を取ったか」で卒業が決まるのです。
カナダの高校は「Grade(グレード)」で数えます。州によって高校の範囲が異なりますが、大学進学に直結する重要な期間はGrade 10〜12です。日本の学年と対応させると、次のようになります。
相当
相当
相当
相当
相当
カナダの高校卒業資格(BC州のDogwood、オンタリオ州のOSSD)は、規定の単位数を満たせば取得できます。つまり、日本の高校のように「3年間在籍しなければならない」という縛りがありません。
日本から高校生が留学する場合、これまで日本の高校で取得した単位の一部が認定されることがあります。その結果、カナダで必要な残り単位を集中的に取れば、Grade 11〜12の2年弱で卒業資格を得られるケースもあるのです。
一部のインター型私立校では、1年を複数学期に分けて効率よく単位を取得できたり、夏期に追加単位を取れたりする仕組みを持っています。こうした学校を選べば、標準より短い期間で卒業に必要な単位を揃えることも可能です。

「カナダの高校を最短で卒業したい」というご相談はよくいただきます。確かに仕組み上は2年弱で卒業も可能で、日本の高校からの単位認定をうまく使えば効率的に進められます。ただ、「早ければいいわけではない」ということ。単位を詰め込みすぎると、肝心の英語力や本当の学びがおろそかになることもあります。お子さんのやる気や余裕、目的に合わせて、最適な期間を一緒に設計するのが大切だと思っています。
「最短で卒業できる」と聞くと魅力的ですが、短期集中には気をつけるべき点もあります。
「できるだけ効率よく単位を取って卒業したい」というニーズに応えやすいのが、柔軟な学期制度や単位取得の仕組みを持つインター型の学校です。以下は、そうした柔軟性に定評のある学校です。
「最短何年か」ではなく、「目的を達成するのに何年必要か」で考えるのが正解です。目的別の目安を整理します。
Grade 10〜12の3年間、腰を据えて学ぶのが理想的。英語力・成績・課外活動をしっかり積み上げられ、大学出願で有利になる。少なくともGrade 11〜12の2年間は確保したい。
単位認定を活用すれば、Grade 11〜12の2年弱でも可能。ただし英語力や現地適応の時間も考慮して計画を。
1年間の交換留学的な形もある。卒業資格にはこだわらず、英語漬けの環境で成長する経験を重視するプラン。

「カナダの高校は3年間じゃない」という柔軟さは、日本の常識にとらわれず、お子さんに合った留学が設計できるということです。早く卒業することも、じっくり3年学ぶことも、1年だけ挑戦することもできる。この自由度の高さこそカナダ留学の魅力です。ただ、選択肢が多いぶん、最初のプラン設計が重要になります。単位認定の見込みや進路の希望をお聞きして、お子さんにとってベストな期間と学校を一緒に組み立てますので、ぜひご相談ください。
手続きの流れと所要時間

カナダの私立高校への入学は、どんな手順で進むのでしょうか。
日本の学校入試とは流れが大きく異なり、書類準備・面接・費用の支払いなどが絡み合いながら進みます。また「インターナショナル型」と「ローカル統合型」では、英語力の条件や手続きの難易度が変わります。まず学校タイプを意識したうえで、全体の流れを把握しましょう。
カナダ私立高校は大きく「インターナショナル型(留学生中心)」と「ローカル統合型(カナダ人生徒と混在)」に分かれますが、この2タイプで手続きの特徴が異なります。(解説:私立高校のタイプについて)
インター型は英語力の入学条件が実質的にない・または低めに設定されているケースが多いですが、ローカル型は現地の授業についていける英語力が前提となるため、英語力の判定がより重視されます。以下の各ステップで、タイプ別の違いを補足しています。
入学手続きの全体ステップ
学校の選定・情報収集
ご希望に基づき、州・タイプ・カリキュラム(IB/AP/BC/OSSD)・学費などを軸に候補校を絞ります。学校タイプによって入学の難易度・英語条件・入学時期が大きく異なるため、この段階でインター型かローカル型かを意識して選定することが重要です。
学校が絞れてきたら、入学条件、入学タイミング、空き枠のチェック、必要書類などを確認します。
出願書類の準備 書類
一般的に必要な書類は以下です。英語力スコアの要否は学校タイプで大きく異なります。
面接(インタビュー)
学校によっては、学校担当者と生徒本人の面接があります。オンライン(Zoom等)での実施が一般的で、英語で行われます。
入学金・学費の支払い 期限あり
学校から合格通知が届いたら、授業料の支払いへ進みます。インターナショナル学校は一括払いが一般的で、高額なローカル系学校は分割(Installment)で払うケースもあります。分割払いの場合、学校が指定する期日までにそれぞれ決められた額(入学金や分割の一回目など)を支払います。
支払いを終えると、入学許可証(LOA)が発行されます。このレターは学生ビザ申請で必要な重要書類です。
カナダ学生ビザ(Study Permit)申請 期限あり
LOAや残高証明など必要な書類を揃えて、カナダ移民局(IRCC)へStudy Permitをオンライン申請します。ビザ申請は、ご希望に応じてビザコンサルティングの資格を持つスタッフより有料代行も可能です。
日本からの審査期間は時期によって変動しますが、通常4〜8週間程度でイメージしておくと無難です。渡航予定日から逆算して早めに動くことが重要です。
渡航・入学
渡航前には学校からオリエンテーション日程や授業、寮に関する情報が届きます。全寮制学校は入学前日〜2日前に寮へ入居することが多いです。

「英語ができないと入れませんか?」という質問をいただきます。これは学校タイプによって全然違って、インター型であれば英語がほとんどできない状態でも入学できる学校は実際にあります。一方ローカル統合型は、カナダ人と同じ授業を受けるため、英語が全くないと入学後に本人がつらい思いをします。「入れるかどうか」と「入ってから大丈夫かどうか」は別の話なので、お子さんの英語力と希望の学校タイプを擦り合わせて、しっかり吟味しましょう。インターで高校生活に慣れた後にローカル学校へステップアップする方もいらっしゃいます。
いつ頃から動き始めるべきか
「いつ相談を始めればいいですか?」はもっとも多くいただく質問のひとつです。学校タイプと希望入学時期によって目安が変わります。下記を参考に確認してください。
9月入学
カナダの学年は9月始まりで、ローカル型は基本的に年1回この時期のみの入学。出願競争が起きやすいため、前年の秋(10〜11月)には動き始めるのが「理想」。遅くとも1月には相談を開始したい。
9月 / 2月入学
多くのインター型は9月と2月前後の年2回入学を受け付けているが、多い場合は年5回前後の入学日を設ける学校も(UISなど)。またインターは定員に余裕がある学校が多く、入学希望の3〜6ヶ月前でも間に合うケースが多い。ただし人気校は早期に枠が埋まる。
インター型であれば書類が揃えば数週間で入学が決まる学校も実際にあり、既に現地にいるならスピード転校も不可能ではない。ただしビザ申請には時間を要するため、渡航には最低1〜2ヶ月の余裕が必要。ローカル学校は随時受付(Rolling Admission)する学校もあり、この場合は学校へ空き枠の確認から始めましょう。
〜11月:相談・学校選定
12〜1月:書類準備・出願
2〜3月:面接・合否通知
3〜4月:入学金支払い・枠確定
4〜6月:ビザ申請
8月末〜9月:渡航・入学

学校手続きは、実はギリギリに動かれるご家庭も実際には多いです。ただ書類準備に時間が要するケースもあり、学校を決めてもその後の手続きで想像以上に時間を要する事もあります。「まだ先の話」と思っているうちに良い学校の枠は埋まっていきますので、まずは無料相談だけでも是非お早めに!
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大学進学に有利?APとは

海外の進学校や国際的な教育環境で耳にすることが多い「AP(エーピー)」。 「難しそうだけど、何に役立つの?」「カナダの高校にもあるの?」といった疑問をお持ちの方に向けて、その歴史から活用のポイントまでを詳しく解説します。
AP(Advanced Placement)とは?
APは、米国の非営利団体「College Board(カレッジボード)」が提供する、高校生が大学初級レベルのカリキュラムを履修し、試験を受けることができるプログラムです。
APの目的と歴史
1950年代、米国の名門校(ハーバード、イェール、プリンストン等)と名門高校が連携し、「優秀な生徒が高校と大学で同じ内容を重複して学ぶ無駄を省く」ことを目的に誕生しました。
高校生に質の高い学術的挑戦の場を提供し、大学入学後の学習をスムーズにすること、また大学の単位認定を通じて卒業までの時間を有効活用することを目的としています。
カナダと世界での普及率
APは米国発祥の制度ですが、現在は世界中で高く評価されています。
どのような学校がAPを取り入れているか
APは、全ての高校にあるわけではありません。主に以下のような学校で見られます。
知っておきたい「活用のポイント」
APを履修・受験することには、大きく3つのメリットがあります。
大学入試での強力なアピール
難易度の高いAP科目を履修していることは、大学の審査官に対して「私は大学レベルの学習に耐えうる学力と意欲がある」という証明になります。特に米国・カナダの名門大学では、GPA(内申点)に加えてAPのスコアが重視されます。
大学の単位として認定される(時短・節約)
5月に行われる統一試験で一定以上のスコア(通常5点満点中3〜4点以上)を取得すると、大学入学後に**「その科目の単位」として認められる**ことがあります。
③ 特定分野の専門性を深められる
「数学は得意だけど歴史は苦手」という場合でも、数学(Calculus)だけAPを取るといった選択が可能です。将来の専攻が決まっている生徒にとって、高校のうちから専門知識を深められる絶好の機会です。
自分に合った「挑戦」を選ぼう
APは、ただの「難しい授業」ではありません。大学での学びを一歩リードし、将来の可能性を広げるための強力なツールです。 カナダ留学を検討されている方は、志望校がどのようなAP科目を提供しているか、ぜひチェックしてみてください。
具体的な科目サンプルと学習内容
AP Calculus AB / BC(微積分学)
理系・経済系を目指す生徒にとって「必須」とも言える、APの中で最もメジャーな科目の一つです。日本の高校数学の範囲を超え、大学1年生で学ぶ内容に踏み込みます。
AP Psychology(心理学)
「人間はどうしてそのように行動するのか?」を探求する科目です。専門用語が多く難易度は高いですが、身近なトピックが多いため、文理問わず非常に人気があります。
AP試験の構成(共通)
どの科目も、毎年5月に行われる試験は主に以下の2部構成になっています。
APを重視したい人へのおすすめ校
ひとくちに「AP対応校」といっても、開講科目数や運用の厚みは学校によって大きく異なります。数科目のみ試験対応している学校もあれば、20科目前後のAPを日常的な授業として提供し、外部生の受験まで受け入れている学校もあります。ここでは、その中でも特にAPプログラムに力を入れているカナダの私立高校をご紹介します。
AP+大学提携パスウェイ
AP科目に加え、トロント大学との提携進学プログラム「Elite Pathway」を提供。留学生受け入れの実績が豊富な、インター型の大規模校。
複数分野でAP開講
数学・理科・ビジネス・フランス語・コンピュータサイエンスなど幅広い分野でAP科目を開講。クエーカー精神に基づくグローバル・リーダーシップ教育と組み合わせた進学準備が魅力。
BCカリキュラム+AP選択科目
グレード11・12でBC州カリキュラムにAP選択科目を組み合わせて学べる、ノースバンクーバーのウォーターフロント校。40か国以上から集まる留学生との国際色豊かな環境が特徴。
この4校以外にも、AP・IBなど提供プログラムから学校を絞り込みたい方は学校比較マップもあわせてご活用ください。学校選びの段階からのご相談も、無料相談フォームより承っています。
ご相談・お問合せ
カナダの私立高校について、ご質問・ご関心のある方はどうぞ気軽にフォームよりご連絡下さい。担当のカウンセラーよりお返事を致します。
公立と私立高校の違い

カナダの高校留学の検討で最初の迷いとなるのが「公立(Public)」と「私立(Private)」のどちらを選ぶかという選択です。
カナダは公立教育の質が高いことで知られていますが、一方で留学生へのサポート体制や大学進学においては、私立校が圧倒的な優位性を持ちます。
本記事では、進学支援、教育の質、入学の柔軟性など、重要なポイントで両者を比較・吟味します。
1. 教育の質とクラス人数
公立高校
教育方針の根底にあるのは「ダイバーシティ(多様性)」と「インクルージョン(包括性)」です。多様な経済背景、人種、能力を持つ生徒が共に学びます。
一方で1クラス25~30名、学校全体では1000名以上など、集団学習が基本です。また留学生を受け入れてはいますが、留学生が前提のシステムではありません。英語が未熟なうちは授業についていくのが難しいという面もあります。
私立高校
教育の質が「学校のブランド」に直結するため、カリキュラムの改善サイクルが速いのが特徴で、AP(Advanced Placement)やIB(国際バカロレア)の導入、そして現在はSTEM(STEAM)を取り入れている学校が増加しています。
1クラス10~20名の少人数制が主流で、教師の目が届きやすく、質問しやすい環境です。大学進学に有利なプログラムが充実している学校が多いのが特徴です。
さらに学校によって、余裕のある学生は多くの単位を取得し、早めの卒業または大学の単位取得にもチャレンジ出来るオプションを用意しています。留学生の多様なニーズを受け止めています。
2. 大学進学の支援体制:受け身のサポートか、攻めのサポートか
もっとも大きな違いが出るのが、卒業後の進路サポートです。
公立高校
カナダ人には、実質高校までが義務教育と広く捉えられています。従って公立高校は進学が目的ではなく、広く平等に教育が提供される事が大きな使命の一つです。その為、大学進学に関してはサポートはあるものの、限定的なケースも多いと言えます。
大規模な学校は1000~2000人いる学校もあり、例えば進学カウンセラー1人が数百名の生徒を担当する事もあります。希望者にはアドバイスが提供されますが、基本は「単位取得の管理」が中心で、大学選びや願書作成は、生徒が自主的に動く必要があります。進学よりも「卒業」を目標とした支援体制です。
私立高校
多くの私立高校は、大学進学を目標とした支援体制に力を入れています。進路戦略、出願対策、大学とのコネクションといった学校の援助が学生の進学を支えます。
通常は大学進学専門のアドバイザーが在籍。教師・生徒間の距離が近いため、一人ひとりの志望校に合わせたエッセイ(志望理由書)の添削や、推薦状の準備、面接対策までマンツーマンに近い形で伴走します。統計(Statistics Canada)によると、23歳時点での大学卒業率は、私立校出身者(約35%)が公立校出身者(約21%)を大きく上回っています。
3.留学生サポート体制
現実に留学がスタートすると「言葉が通じない」「友達ができない」「食事が合わない」といった、留学生ならではの壁に必ず直面します。公立と私立では、このような留学生固有の悩みを支える体制に大きな違いがあります。
公立高校
標準的なESLクラスや英語補習はありますが、個別指導・サポートをするような性質ではありません。英語力は現地の同級生とのコミュニケーションに直結しますので、英語の壁を越えてコミュニティに飛び込む積極性が求められます。
私立高校
多くの学校は、英語力が十分でない学生のサポートや育成の専門家と言っても過言ではありません。「英語を学ぶ」だけでなく、「英語で授業を理解するためのサポート」が充実しています。放課後の無料チューター(家庭教師)制度や、少人数クラスでのきめ細かなフォローで、「英語」と「学業」を同時並行で伸ばすサポート体制があります。
また多くの私立校(特にボーディングスクール)では放課後や週末もアクティビティが用意されていますので、自動的に学生の輪・コミュニティへ参加する事になります。
4. 入学タイミングの柔軟性
日本の教育課程(3月卒業)からスムーズに移行したい場合、入学時期は重要です。
公立高校
基本は9月と2月の年2回。出願期限も半年以上前に締め切られることが多く、早めの準備が欠かせません。
私立高校
9月・1月・5月など、年3学期制を採用している学校もあり、入学タイミングが非常に柔軟です(学校によっては年5回以上の学校もあります)。日本の高校を中途退学してすぐに編入したいといったケースにも対応しやすいのがメリットです。
5.入学手続き
公立高校
公立校は各地域の教育委員会(School District/Board)が管理しているため、まず教育委員会に申請する必要があります。希望する学校を直接選べないケースも多く、教育委員会が空き状況や居住地域に基づいて学校を割り当てることがあります。
また公立校は基本的に地域住民のための学校です。留学生の受け入れには制限があり、特定の地域に滞在先(ホームステイや保護者の住居)を確保する必要があります。希望する学校のあるエリアに滞在先がない場合、その学校には通えない可能性もあります。
私立高校
シンプルで柔軟な入学プロセス
私立校は学校へ直接出願ができます。教育委員会を経由する必要がなく、希望する学校と直接やり取りができるため、プロセスがとにかく明快です。
書類審査や面接を経て、学校が直接合否を判断します。公立校のような複数機関の調整が不要なため、入学決定までのスピードが速いのが特徴です。
また居住地域に関係なく入学できますが、学校が寮を持っている場合が多く、滞在先についての手続き・検討・リサーチといった手間や心配がありません。
公立・私立の比較表
| 比較項目 | カナダ公立高校 | カナダ私立高校 |
|---|---|---|
| 学費 | 低〜中 $17,000前後/年 |
中〜高(合理的) $20,000~30,000前後/年 |
| 教育の質・個別性 | △ 地域により差 | ◎ 進学実績・少人数 |
| 入学タイミング | △ 1~2回 | ◎ 3回以上あり |
| 入学手続き | △ 多段式の承認プロセス | ◎ シンプルで明快 |
| 大学進学サポート | △ 受け身の支援体制 | ◎ 攻めの支援体制 |
| 寮・生活 | △ 基本ホームステイ | ◎ 寮あり・充実 |
| 安全性・環境 | ◎ 治安良好・多文化 | |
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ON州の高校卒業資格「OSSD」とは?

OSSD(Ontario Secondary School Diploma)は、カナダ最大の州であるオンタリオ州教育省が発行する公式な高校卒業証明書です。カナダの教育は州ごとに管轄が異なりますが、その中でもオンタリオ州のカリキュラムは「世界で最も成功している教育モデルの一つ」として、OECD(経済協力開発機構)のPISA調査などで常に世界トップクラスにランクインしています。
OSSDは、イギリスのA-Levelや国際バカロレア(IB)と並び、世界的に認められた「大学入学資格」です。カナダ国内のトロント大学、マギル大学などの名門校へ、州内生と同じ枠組みで出願が可能。
アメリカ・イギリスは、アイビーリーグやオックスフォード、ケンブリッジなどのトップ大学もOSSDを正式な入学資格として受け入れています。
一発勝負の試験ではなく「継続的な学習プロセス(平常点)」を重視する姿勢が、大学入学後の学業成功に直結すると高く評価されています。これがまさにOSSDが実践している教育システムそのものです。
この記事では、OSSDの仕組みや卒業条件、カリキュラムなどについて具体的に解説します。
オンタリオ州のSecondary School(高校)の仕組み
オンタリオ州の教育システムでは、Grade 9からGrade 12までの4年間が「Secondary School(高校)」と位置づけられています。日本の中学3年生から高校3学年に相当し、この4年間の課程を修了することで卒業資格であるOSSDが授与されます。
また各科目は1単位(Credit)制で管理されており、所定の単位を修得することで卒業資格が得られます。卒業までに30単位(30科目)の履修が卒業要件の一つとなっています。
最大の特徴は、学年が進むにつれて専門性が高まる「コース分け」です。Grade 9・10では基礎を幅広く学びますが、Grade 11・12では将来の進路に合わせてコースレベルが設定されており、そのコースから科目を選択します。
目標にあわせたコースレベル
大学進学を希望する場合、Grade 11・12で「University」レベルの科目を中心に履修する必要があります。
OSSDの卒業要件
OSSDを取得するためには、大きく分けて4つの条件を満たす必要があります。なお2024年以降に入学する生徒には、一部新しい科目が必修化されています。
① 合計30単位の取得
日本の多くの高校のように「クラス全員が同じ授業を受ける」スタイルではなく、大学生のように自分で科目を選んで単位を取得する「単位制」を採用しています。
最終成績の70%が学期中の課題・小テスト・プロジェクト、残りの30%が期末試験や最終課題で構成されます。この「70/30ルール」により、コツコツ努力する生徒が正当に評価される仕組みになっています。
OSSDでは、1科目=1単位が基本です。卒業要件は30単位の取得であり、つまり30科目の授業を4年間で履修していく設計となっています。
内訳は必修科目17~18単位、選択科目12~13単位です。
【主な必修科目】
② 識字能力テスト(OSSLT)への合格
Grade 10の時に受けるOSSLT(Ontario Secondary School Literacy Test)に合格する必要があります。読解力と記述力を問うテストで、不合格となった場合でも、補習コース(OSSLC)を履修することで要件を満たすことができます。
③ 40時間のコミュニティ奉仕活動(ボランティア)
社会貢献意識を育むため、4年間で合計40時間のボランティア活動が義務付けられています。地域のスポーツチームのコーチ、図書館のボランティア、慈善団体での活動など、内容は多岐にわたります。
④ オンライン学習(e-Learning)2単位
デジタルリテラシー向上を目的として、30単位のうち2単位をオンライン授業で取得する必要があります。ただし、これについては保護者の申請により免除(Opt-out)することも可能です。
OSSDの特徴とメリット
圧倒的な柔軟性
OSSDの最大の魅力は、生徒が自分の将来の目標(文系・理系・芸術系など)に合わせて、Grade 11以降の科目を自由にカスタマイズできる点です。例えば、将来エンジニアを目指す生徒は物理と高度な数学を、ビジネスを目指す生徒は経済や会計を重点的に学ぶことができます。
また前述の通り、成績の70%が日々のパフォーマンスで決まります。
「試験が得意ではないが、日々の課題に真面目に取り組める生徒」にとって、OSSDは非常に有利なシステムです。これは大学進学後のレポート作成能力や自己管理能力を養うことにも繋がります。
OSSD(Ontario Secondary School Diploma)は、カナダ・オンタリオ州が誇る国際的に認められた高校卒業資格です。30単位の修得・州共通テストの合格・40時間のコミュニティサービスという明確な取得条件のもと、英語力・学力・市民性をバランスよく育てる教育課程が特徴です。英語圏トップ大学への進学ルートとして、また日本の大学入試においても活用できる実用性の高い資格として、グローバルな進学・キャリアを目指す学習者にとって非常に価値のある選択肢といえるでしょう。
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BC州の高校卒業資格 「Dogwood Diploma」とは?

BC州の公立・私立高校を卒業した際に授与されるのが、通称「Dogwood Diploma(ドッグウッド・ディプロマ)」と呼ばれる卒業証書です。正式名称は BC Certificate of Graduation。BC州の州花であるハナミズキ(Dogwood)にちなんで名付けられました。

BC州の高校(Secondary School)は一般的に、Grade8~Grade12(日本の中学2年~高校三年)の5年間を提供していますが、高校卒業の要件はGrade10~12の3年間のみに含まれます。つまり実質は、日本と近い形で高校の学業が進行します。
Dogwood Diplomaはカナダ国内だけでなく、アメリカやイギリスをはじめとする海外の大学でも広く認められており、日本の高校卒業資格と同等かそれ以上の評価を受けることも少なくありません。取得すれば、カナダ国内の大学出願資格を得られるほか、世界中の大学へ進学する学生が大勢います。
卒業に必要な3つの柱
BC州の高校卒業(Grade 10〜12の3年間)には、大きく分けて以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
卒業に必要なクレジット数
Dogwood Diplomaを取得するには、合計 80クレジット を修得する必要があります。1クレジットはおおよそ1科目に相当します。
必修科目(52単位)
卒業に必要な80単位のうち、52単位は「必修」として科目が指定されています。1つの科目を修了すると通常4単位取得できるため、計20科目以上の合格が必要です。
| 必修科目カテゴリ | 必要クレジット | 詳細・条件 |
|---|---|---|
| 英語(Language Arts) | 12 | Grade 10, 11, 12で各4単位 |
| 社会(Social Studies) | 8 | Grade 10で4単位、Grade 11/12で4単位 |
| 数学(Mathematics) | 8 | Grade 10で4単位、Grade 11/12で4単位 |
| 理科(Science) | 8 | Grade 10で4単位、Grade 11/12で4単位 |
| 体育(Physical Education) | 4 | Grade 10で必須 |
| 美術・技術など | 4 | 美術、音楽、テクノロジーなど |
| キャリア教育(CLE / CLC) | 8 | Career Life Education & Connections |
| 先住民族関連(Indigenous) | 4 | 【2023/24以降の新要件】 |
選択科目(28単位)
BC州では、日本の高校では考えられないほど細分化された専門科目が提供されており、自分の興味や将来の進路に合わせて自由に選ぶことができます。
ただし学校によって開講される科目は異なります。特定のスポーツアカデミー(サッカーやダンス)や、プログラミングに強い学校など、特色があるため、入学前の学校選びが非常に重要です。
主なカテゴリーと代表的な科目は以下の通りです。
| カテゴリー | 具体的な科目例 |
|---|---|
| ビジネス・経済 | 起業家精神 (Entrepreneurship)、マーケティング、会計学 (Accounting)、経済学 |
| テクノロジー・工学 | ロボット工学、コンピュータ・プログラミング、建築デザイン、ドラフティング(製図) |
| 芸術・メディア | 映画・テレビ制作、デジタルメディア、写真、舞台芸術、3Dアート(陶芸・彫刻) |
| 家庭科・サービス | 調理実習 (Culinary Arts)、ファッションデザイン、保育 (Child Development)、観光学 |
| 人文・社会科学 | 心理学 (Psychology)、法律 (Law Studies)、社会正義 (Social Justice)、哲学 |
| 実技・技能 | 自動車整備、木工、金属加工、ヘアデザイン(美容) |
【重要ルール】
全80単位のうち、最低16単位(4科目分)はGrade 12レベルである必要があります。これには「英語12」と「Career Life Connections」が含まれます。
また2023年度以降に卒業するすべての生徒は、カナダ先住民族の歴史、文化、世界観に関する科目(Indigenous-focused)を最低4単位(1科目)取得することが必須となりました。
州一斉学力査定(Provincial Assessments)
BC州では、卒業までに以下の3つのテストを受ける義務があります。これらは合格・不合格を決めるものではなく、生徒の習熟度を4段階で測定するものです。
キャリア教育とキャップストーン(Capstone Project)
BC州の高校生は、Grade 10~12の間にキャリア教育2科目を履修した上で、キャップストーン・プロジェクトを完成させる必要があります。
① Career Life Education (CLE) - 4単位
主にGrade 10または11で履修します。自己分析(強み・興味)、労働市場の調査、予算管理(ファイナンシャル・リテラシー)、職場での安全、履歴書の作成、ネットワーキングの基礎などで構成されます。
自分が社会でどのような役割を果たせるかを模索し、卒業後の選択肢(大学、専門学校、就職)を具体化します。
② Career Life Connections (CLC) - 4単位
主にGrade 12で履修します。CLEで学んだことを土台に、より実践的な活動に移ります。卒業後の具体的なキャリアプランの策定、30時間以上の職場体験(ワークエクスペリエンス)または地域活動を行います。
こうして社会との接点を持ちながら、次のステップである「キャップストーン・プロジェクト」を完成につなげます。
③卒業の集大成:キャップストーン(Capstone)
「キャップストーン」とは、ピラミッドの頂上に置く石を意味します。その名の通り、高校3年間の学びを統合した「卒業制作・卒業発表」のことです。
これはCLC(Career Life Connections)の一環として行われ、完了しなければ卒業資格(Dogwood Diploma)は得られません。
<キャンプストーンのプロセス3段階>
【計画 (Plan)】 自分の情熱を注げるテーマを選び、問いを立てます。
【実行 (Act):】調査、インタビュー、作品制作、ボランティア活動などを行い、目に見える形にします。
【発表 (Reflect & Present)】完成したプロジェクトを、教師や保護者、地域住民などの前でプレゼンテーションします。
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IB(International Baccalaureate/国際バカロレア)とは?

IBとは何か

IB(International Baccalaureate/国際バカロレア)とは、1968年にスイス・ジュネーブで設立された非営利教育財団「国際バカロレア機構(IBO)」が開発・運営する国際的な教育プログラムです。世界160カ国以上、5,000校を超える認定校で採用されており、特定の国の教育制度に依存しない「国際標準の学力証明」として機能します。
IBが他のカリキュラムと大きく異なるのは、「知識の暗記・再現」よりも「探究・批判的思考・異文化理解」を中核に置いている点です。授業は問いを立てるところから始まり、生徒が自らリサーチし、他者と議論しながら理解を深めていく形式が基本です。この学び方は、日本の高校教育とは根本的に異なります。

IBというと「難しい」「エリート向け」というイメージを持たれるご家庭も多いですが、私が感じるのは「自分で考えることが好きな子」に向いているプログラムだということです。テストの点数より「なぜそうなるか?」を説明できる力が評価されます。それがIBの本質だと思います。
3つのプログラムの違い
IBには年齢に応じた3つのプログラムがあります。カナダの私立高校に留学する文脈で最も重要なのはDPですが、全体像を知っておくと、学校選びのときに例えば「この学校はフルコンティニュアム(3プログラム全対応)か否か」という観点で比較できるようになります。
初等教育プログラム
PYP
Primary Years Programme
3〜12歳対象。「探究を通じた学び」の土台をつくる段階。教科横断型の単元設計が特徴で、カナダの小学校では比較的普及している。

中等教育プログラム
MYP
Middle Years Programme
11〜16歳対象。8つの教科領域をつなぐ「グローバルなコンテキスト」で学ぶ中学〜高校前半向けプログラム。個人プロジェクトが卒業要件となる。

ディプロマプログラム
DP
Diploma Programme
16〜19歳対象。2年間で6科目+3つのコアを履修し、試験でスコアを取得。世界中の大学が入学審査に活用する最重要プログラム。

DP(ディプロマプログラム)の中身
留学生が実際に履修することになるのはDPです。その構造を理解しておくと、学校見学や出願時の会話がスムーズになります。
6グループ構成の科目履修
生徒は以下の6グループから各1科目を選び、合計6科目を2年間で履修します。うち3〜4科目は「Higher Level(HL)」として深く学び、残りは「Standard Level(SL)」として学びます。
3つの「コア要素」
科目履修に加え、DPには以下の3つの必修コア要素があります。これがDPを単なる教科学習と区別する要です。
スコアリングと「フルディプロマ」
各科目は7点満点で採点され、6科目合計42点+コア要素ボーナス3点の計45点満点です。フルディプロマ取得には最低24点以上が必要で、世界平均は30点前後です。ただし、DPを全科目履修せずに特定科目のみ受講する「コース受講生」として参加している学校・生徒も多く、必ずしも全員がフルディプロマを目指すわけではありません。
カナダにおけるIBの位置づけ
カナダはIB教育の「先進国」のひとつです。2024年時点でカナダ国内に700校以上のIB認定校があり、うちBCとオンタリオ州に認定校が集中しています。
カナダのIB事情で特筆すべき点は、公立高校でもIBを提供している学校が多いことです。これは欧米や日本と異なるカナダの教育文化で、「優れた教育は広く開かれるべき」という考え方が背景にあります。私立のIBスクールは施設・サポート・クラス規模などの面で優位性を持ちますが、IB自体は私立の専売特許ではありません。
BCとオンタリオ、州による違い
| 項目 | ブリティッシュコロンビア(BC)州 | オンタリオ(ON)州 |
|---|---|---|
| IBとの親和性 | 非常に高い。州カリキュラムがIBの哲学に近く、IBとBCカリキュラムの統合運営が広く行われている | 高い。IB校は多いが、州の独自資格OSSDとの並行取得が一般的なため、授業負荷は大きい |
| 代表的な私立IBスクール | Brookes Westshore、St. John's Academy Shawnigan Lake、Brentwood College など | Ridley College、Upper Canada College、Appleby College など |
| IBのみでの大学進学 | BC州の大学はIBスコアのみで出願可能なケースが多い | 多くの場合、IB+OSSDの両方が求められる |

BCの私立校でIBを勉強するのは、実はとても効率が良いですね。BC州カリキュラム自体がIBと設計思想が近いので、授業の二重負担になりにくく、IB科目履修=BC州の科目として認定される学校が殆どです。一方オンタリオでは、IBとOSSDが被らない科目が一定数あり、負荷が高くなる場合もあります。(ただOSSDに対応する科目はIBからCredit Transfer可能)。Ridley Collegeのように、授業設計に工夫を凝らし、IBとOSSDの履修負担を最小限にしている学校もあります。
IBとAPの違い
カナダの私立高校を検討するとき、IBと並んで「AP(Advanced Placement)」という言葉もよく出てきます。どちらも大学進学を念頭に置いた上位カリキュラムですが、設計思想が根本的に異なります。
| 比較項目 | IB(ディプロマプログラム) | AP(Advanced Placement) |
|---|---|---|
| 運営組織 | 国際バカロレア機構(スイス) | College Board(米国) |
| プログラム形態 | 2年間の包括的なカリキュラム(セット) | 単科ごとに独立した科目群(ア・ラ・カルト) |
| 評価の特徴 | 筆記試験+授業内評価(IA)の組み合わせ。TOK・EEなどコア要素あり | 5月の統一試験(5点満点)のみ。授業内評価は大学単位認定に影響しない |
| 強み | 論文・探究・議論力が身につく。世界中の大学が評価。人文・社会科学志向に強い | 科目を絞って対策しやすい。米国大学への単位認定が明確。理系科目に強い学校も多い |
| 向いているタイプ | 自律的に学べる。書くことが苦でない。進路を広く開いておきたい | 特定科目の先取り学習がしたい。米国大学志望。効率よく単位を取りたい |
日本人学生とIB:向き・不向きと現実
日本の高校教育とIBの学び方は、かなり異なります。日本では「正解を速く正確に出す力」が重視される傾向がありますが、IBでは「自分の意見を持ち、根拠とともに表現する力」が問われます。この違いを理解しておくことは、留学後の適応に大きく影響します。
IBに向いている日本人学生の特徴
よくある誤解と現実
「IBを取れば世界中の大学に入れる」というイメージが先行することがありますが、IBはあくまでも「入学資格として広く認められている資格」であり、スコアが低ければ有利にはなりません。また、DP2年間は相応の学習負荷があり、課外活動も含めると生活全体がタイトになります。「難しいからこそ価値がある」という側面は確かにありますが、まず本人がその学び方に納得・適合できるかどうかが先決です。
IB取得後の大学進学
IBディプロマは、世界2,000以上の大学で入学審査の対象として認められています。特にカナダ・英国・北欧・オーストラリアの大学での評価が高く、北米の有力大学でも単位認定や早期修了優遇などのメリットがある場合があります。
カナダ国内大学への進学
UBC、トロント大学、マギル大学などカナダの主要大学は、IBディプロマを正式な入学資格として受け入れており、高スコア取得者への奨学金制度を設けている大学もあります。特にUBCはIBへの対応が手厚く、HL科目のスコアに応じて大学単位として認定される制度が明確です。
日本の大学への帰国進学
2013年以降、日本でもIBの認知が急速に高まっています。東京大学・京都大学・慶應義塾大学・早稲田大学など多くの国内大学がIBディプロマを出願要件として認める推薦・特別選抜入試を設けています。帰国子女枠との組み合わせで活用するケースも増えており、「カナダで学んでから日本の大学へ」という進路も選択肢として現実的です。
カナダのIB提供校
カナダの私立高校の中でも、IBプログラムの提供形態は学校によって大きく異なります。「フルディプロマ(DP)まで取得できる学校」と「MYP(中等教育)までの学校」では、卒業後の進路選択に直接影響するため、事前に確認しておくことが重要です。以下では、主なカナダのIB校をご紹介します。
| 学校名 | 州 | IBプログラム | 寮 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Brookes Westshore | BC | MYP・DP | あり | IB専業の小規模校。BC Dogwood Diplomaとの同時取得可 |
| St. John's Academy Shawnigan Lake |
BC | MYP・DP | あり | 湖畔の自然環境。BC卒業資格との併用。小規模・少人数制 |
| Bodwell High School | BC | MYP(G8〜10) | あり | 上級学年はBCカリキュラム+AP。DPは提供していない |
| Ridley College | ON | PYP・MYP・DP (フルコンティニュアム) |
あり | カナダで唯一、IBフルコンティニュアム認定の独立全寮制校。OSSD併用 |
| Branksome Hall | ON | PYP・MYP・DP (フルコンティニュアム) |
あり | トロント屈指の女子校。JK〜G12全学年IBカリキュラム。国際色豊かな教員陣 |
各校の特徴
IBに特化した私立校。2009年設立の前身の学校が2018年にビクトリア郊外に移転し、最新設備のキャンパスに生まれ変わりました。全生徒がIBカリキュラムを学ぶ「IB専業校」で、MYPからDPまで一貫して提供します。IBディプロマとBC Dogwood Diplomaを同時取得できる点が進路上の強みです。国際生比率は約50%を目標とし、現地カナダ人学生と混在する環境が整っています。小規模校ならではの少人数授業と手厚いサポートが特徴です。
バンクーバー島のショーニガン湖畔という恵まれた自然環境に位置するIBスクールです。Grade 4から12まで在籍し、MYP(G6〜10)とDP(G11〜12)を提供。BCカリキュラムとの組み合わせで卒業資格も取得できます。DPは2023年に正式認定を受けた比較的新しい認定校であり、学校規模は小さいながらも急成長中です。寮生活では国内外の生徒が混在し、自然を活かしたアクティビティが学校生活に溶け込んでいます。
ノースバンクーバーのウォーターフロントキャンパスに位置する国際色豊かな私立校です。IBはMYP(G8〜10)を提供しており、上級学年(G11〜12)ではBCカリキュラム+APコースへ移行する点が他のIBスクールと異なります。フルIBディプロマは取得できませんが、APと組み合わせた北米型の大学進学準備として評価されています。40カ国以上からの生徒が集まるダイバーシティと、24時間サポート体制の寄宿プログラムが強みです。
1889年創立、カナダを代表する名門全寮制校で、PYP・MYP・DPのIBフルコンティニュアムを認定されています。IBとオンタリオ州高校卒業資格(OSSD)を並行取得する体制を整え、60カ国以上から870名超の生徒が在籍。90エーカーの広大なキャンパスには10のボーディングハウスがあり、学業・スポーツ・芸術・奉仕活動を通じた全人教育が行われています。
トロント市内に位置する、カナダを代表するIB女子校です。JK(幼稚園)からGrade 12まで全学年でIBカリキュラムを採用するフルコンティニュアム校で、探究・批判的思考・国際的視野の育成を全学期を通じて一貫しています。904名の在籍生徒のうち寄宿生も受け入れており、国際的な教員陣と最新の学習施設が揃っています。女子教育・リーダーシップ育成に強みがあり、将来を担う女性の育成を学校の使命とする文化が根づいています。
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CAISとは?カナダ私立高校の認定制度をわかりやすく解説

CAISとは何か
CAIS(Canadian Accredited Independent Schools:日本語ではケース・ケイス等と発音)は、カナダの独立系私立学校を対象とした全国認定機関です。「国家基準(National Standards)を満たし、継続的な学校改善に取り組む学校のコミュニティ」と自らを定義しており、単なる資格付与にとどまらず、加盟校が互いに学び合い、教育の質を高め続けるネットワークとして機能しています。
その起源は1981年に設立された「Canadian Association of Independent Schools」にさかのぼります。並行して1986年に設立された「Canadian Educational Standards Institute(CESI)」が認定基準の策定と評価プロセスを担い、2010年に両組織が統合する形で現在のCAISが生まれました。現在は全国95校以上が加盟しており、カナダ・バミューダの私立学校が対象です。

カナダの私立高校を選ぶとき、「良い学校かどうか」をどうやって判断すればいいか、という質問はよくいただきます。そのひとつの答えがCAIS加盟校かどうかです。CAISは学校が自ら申請し、厳しい審査を通過して初めて認定される仕組みなので、認定されているということ自体が一定の品質保証になります。日本でいえば、文科省に認可された大学と未認可の大学の違い、に近いイメージでしょうか。
12の国家基準(National Standards)とは
CAISの認定審査は「National Standards(国家基準)」と呼ばれる12の評価領域に基づきます。これらの基準は国際的な独立学校認定評議会(ICAISA)の基準とも整合しており、毎年最新の研究や実践に基づいて見直されています。
学習と教授法
カリキュラム・授業の質・評価方法
生徒の健全な発達
学習・精神・身体面のウェルビーイング
生徒支援体制
個別サポートと進学指導
将来への準備
21世紀型スキルと探究・批判的思考
リーダーシップ
校長・管理職のリーダーシップ能力
ガバナンス
理事会の機能・方針・リスク管理
財務管理
健全な財務運営と持続可能性
施設・設備
安全で学習に適した環境の維持
人材管理
採用・研修・教員評価のプロセス
交換留学プログラム
安全・充実した留学生受け入れ体制
募集・コミュニティ連携
入学管理・広報・卒業生ネットワーク
学校文化とインクルージョン
多様性・帰属意識・コミュニティの在り方
認定はどのように行われるか

CAIS認定は一度取得して終わりではなく、継続的な改善プロセスが組み込まれた仕組みです。認定の流れは大きく3段階で構成されます。
| ステップ | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| ① 自己評価 | 学校全体(教員・生徒・保護者・理事会)が関与し、12の基準に照らして詳細な内部評価レポートを作成。強み・課題・将来の方向性を整理する | 12〜18ヶ月 |
| ② ピア・レビュー | 他のCAIS加盟校の校長や教育者で構成された外部評価チームが学校を訪問し、自己評価レポートの内容を検証。改善点と優れた実践についての報告書を作成 | 数日間(訪問) |
| ③ 認定判定・改善計画 | 評価結果がCAIS評価委員会に提出され、理事会が認定を決定。学校は改善計画(School Improvement Action Plan)を策定し、継続的な改善に取り組む | 以降も継続 |
認定を維持するためには定期的な再審査(再認定)が必要であり、認定後も継続的な改善が求められます。また、認定申請には設立から5年以上の運営実績が必要なため、新設校がすぐに認定を受けることはできません。
CAIS認定が意味すること――留学家庭の視点から
留学を検討する家庭にとって、CAIS認定はどのような意味を持つのでしょうか。学術面だけでなく、実際の安心感・信頼性につながる要素を整理します。

私が重要だと感じるのは、財務審査も含まれている点です。カナダの私立学校の経営は決して簡単なものではなく、過去には閉校した学校もあります。CAIS校であれば財務の健全性についても基準をクリアしているわけですから、「授業料を払って1年後に学校がなくなった」というリスクが著しく下がります。高額な留学費用を投じますから、ここは知っておいていただきたいポイントです。
CAISと他の学校団体の違い
カナダの私立高校を調べると、CAIS以外にもさまざまな団体の名前が出てきます。代表的なものを整理しておきます。
| 団体名 | 主な役割 | CAISとの関係 |
|---|---|---|
| CAIS Canadian Accredited Independent Schools |
全国規模の品質認定・学校改善 | ―― |
| AISBC Association of Independent Schools of BC |
BC州独立学校の州認可・支援組織 | 州認可(必須)とCAIS認定(任意)は別。両方に加盟する学校も多い |
| CISSA Canadian Independent School Sports Association |
私立学校間のスポーツ競技連盟 | 教育品質の認定とは別。スポーツ交流目的の加盟 |
| IBO International Baccalaureate Organization |
IBカリキュラムの認定・運営 | 別組織。CAIS加盟校がIBを提供することもあるが、独立した認定体系 |
カナダのCAIS加盟校
マイルストーンカナダがご紹介する私立高校にもCAIS認定校があり、以下はその一部となります。いずれも国際基準の教育品質が第三者によって保証されており、留学先として安心してお勧めできる学校です。各校の詳細ページもあわせてご覧ください。
自然豊かなケロウナのモダンなK-12一貫校。寮では体験できない「本物のカナダ生活」が出来るファミリーボーディングが魅力。
IBとBC卒業資格を提供する湖畔の小規模校。成長中の学校だが、CAIS認定基準のもと国際水準の運営を実践している。
アバディーンホールとマイルストーンによる解説動画
カナダの高校システム

ブリティッシュコロンビア州、およびオンタリオ州の高校(Secondary School)のシステムについて詳しく解説します。
| 項目 | BC州 (Dogwood Diploma) | ON州 (OSSD) |
|---|---|---|
| 対象学年 | Grade 10 〜 12 (3年間) | Grade 9 〜 12 (4年間) |
| 必要単位数 | 80単位 (1科目=4単位) | 30単位 (1科目=1単位) |
| 必修科目数 | 52単位 (13科目) | 18単位 (18科目) |
| 州統一試験 | あり (数理10, 読解10, 読解12) | あり (OSSLT: 読み書きテスト) |
| ボランティア | 30時間以上 | 40時間以上 |
| 特徴的な要件 | 先住民教育(Indigenous)科目が必須 | オンライン学習(e-learning)2単位が必須 |
カナダ全体のシステム
カナダは一般的に6歳から16歳~18歳までが義務教育期間とされており、高校までが義務教育という考え方が一般的です。
そして教育システムは連邦政府ではなく、各州の政府が管轄しています。そのため州によって「何年生からセカンダリースクール(中高)に区分されるか」や「卒業までの年数」が異なります。
ちなみにアルバータ州・ノバスコシア州は、日本と同じ学年の区分けという事になります。(小学校6年間、中学3年間、高校3年間)

州ごとに境界線は違えど、大きく分けて「エレメンタリー(初等)」「セカンダリー(中等)」「ポストセカンダリー(大学・カレッジ等)」の3層構造になっています。
高校(Secondary School)の期間は、BC州が8~12年の5年間、ON州が9~12年の4年間となっています。ただしBC州の5年間で、卒業要件とされる単位を学ぶのは10~12年生の3年間です。
動画でもカナダの高校システムを解説中
ブリティッシュコロンビア (BC) 州の特徴
BC州の高校卒業資格はDogwood Diplomaと呼ばれ、Grade8~12の5年間の課程となります。ただ卒業要件となる単位はGrade10から3年間で取得します。
1つの科目を修了すると「4単位」付与され、卒業には80単位が必要です。つまり20科目の履修が卒業の最低条件となります。なお少なくとも16単位(4科目分)はGrade 12のレベルで取得しなければなりません。
Grade 10以降は進路に応じて柔軟に選択ができ、APコースも多く用意されています。
成績は原則「単位制+パーセンテージ評価」で、例えば86%、92%などの評価を得ます。GPA換算も可能ですが、原則%表示となります。
<州統一アセスメント>
卒業までに「Numeracy 10(数理)」「Literacy 10(読解)」「Literacy 12(読解)」の3つのテストを受ける必要があります。これらは合否を決める「入試」ではなく、習熟度を測るためのものです。
<先住民教育の義務化>
2023年より、卒業までに必ず「先住民の歴史や文化」に関する科目を4単位取得することが義務付けられました。(例:Contemporary Indigenous Studies、Indigenous Languagesなど)
オンタリオ (ON) 州の特徴
ON州の高校過程はOSSD(Ontario Secondary School Diploma)と呼ばれ、「柔軟性と自律性」を重視した、カナダで最も一般的なシステムの一つです。
1つの科目を修了すると「1単位」付与されます。シンプルで分かりやすい計算方法で、卒業までに30単位(必修18単位、選択12単位)の履修が必要です。
BC州がGrade 10からの単位をカウントするのに対し、ON州はGrade 9(中学3年相当)からの4年間の成績が卒業に関わります。日本の中学を卒業して高校へ転入する場合、中学3年の成績表を学校へ提出して認められれば、Grade9の単位として認められる事があります。
またOSSDの特徴の一つとして、40時間のボランティア活動(Community Involvement)が義務付けられていることが挙げられます。通常は学校もボランティア先探しの協力も行います。
<リテラシーテスト (OSSLT)>
Grade 10の時に受ける読み書きの試験です。合格が必須ですが、もし不合格になっても「OSSLC」という授業を履修することで要件を満たすことができる救済措置があります。
<デジタル・リテラシー>
近年の変更により、卒業までに2単位分を「オンライン授業」で取得することが義務付けられました(免除申請も可能)。
<金融リテラシー>2025年以降の卒業生には、Grade 10の数学の中で金融リテラシー(家計管理や投資の基礎)の試験に合格することも求められるようになりました。
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