カナダの治安・犯罪について

残念ですが、留学生の詐欺、窃盗、性暴力被害は毎年起きています。

カナダは一般的に治安が良いと言われていますが、外務省によると犯罪発生率は日本の約5倍の水準と言われています。弊社のお客様でも過去に詐欺や性犯罪の被害にあった事例があります。

日本ならひっかからない詐欺や犯罪でも、「英語」という第二言語を通すことで簡単にガードが落ち、安易な行動から犯罪被害に繋がりやすくなります。留学生がその土地や言語に不慣れである事を熟知した犯罪者・詐欺師は、皆さんを初めからターゲットにしており、犯罪に巻き込もうとします。

外国に居る」という意識を改めて強くし、警戒心を常に高くする事が大切です。

参考リンク(より詳しい安全対策などはこちらをご覧下さい)

バンクーバー危険地域

Hastings St ✖ Main St

バンクーバー近辺で近づくべきでない、悪評高いのがHastings StとMain Stの交差点を中心とする半径数ブロックの一帯です。下記の地図で紫の危険地域だけでなく、周辺のオレンジのエリア含めて、近づかないようご留意ください。

紫のエリアは薬物中毒者、ホームレスなどが集まっているエリアで、治安が非常に悪いと言われています。特にHastings St沿いはテントが並び、道端で個人売買がされたり、注射器が落ちているのが日常です。近くにホームレス向けのシェルター(一時滞在施設)もあります。

近辺に警察署もあり警察官が頻繁に歩いているため、昼間ここを歩くとすぐ暴力・盗難に事にあうという話では無いですが、私達と違う常識の世界で生きる人たちが集まっており、何があるか予想出来ません。絶対近づかないようにご注意下さい。

ガスタウンやチャイナタウンなど観光地として知られるエリアに隣接するため、つい気を許して入り込んでしまいかねない点も特徴です。

オレンジのエリアも同様にご注意下さい。昼間は普通の人も歩いたり銀行・カフェ・ラーメン屋などもある地域ですが、危険地域に接したエリアである事は間違いありません。

ダウンタウン

ダウンタウンは留学生に限らず周辺に住むカナダ人にとっても活動の中心地となる舞台です。昼間は基本的に安全で賑やかですが、多種多様な人が集まるエリアという事を常に忘れないでください。

ホームレスや物乞いもいますし、ダウンタウン自体がHastings✖Mainから遠くない事もあってそこから来たような人も繁華街で見かけます。

昼間でも、裏道やガスタウンの周辺地域、Granville Stの南側は風貌の悪い人も見かけるのでご注意下さい。

そして、風貌や挙動の怪しい人がいたら、近寄らない・目を合わせないが最善策です。

夜間はエリア関係なく注意

バンクーバー一帯は基本的に安全に住める場所ですが、夜・深夜など暗くなってから人気の少ない所へ行くのは出来るだけ避けましょう。一人歩きを避けるだけでなく、複数・カップルでも同様です。

夜中に避けるべき場所:公園(大小関わらず)、駅周辺、ダウンタウン内の繁華街

スカイトレイン等の駅周辺は昼間が平和でも、夜は犯罪率が高まると言われています。

また夜中にカップルで公園を歩いていた留学生が、若い男たちに暴力を受けたという事例もあります。一人でも複数であっても、暗くなってからは人の少ない所を歩く事はあまりお勧めできません。

上記のHastings x Mainも夜になればなおさらです、その周辺地域含めて夜になったら絶対近寄らないようご注意下さい。(この地域で過去に日本人が被害者の事件も起きています)

性犯罪・セクハラ

性犯罪は、偶発的に被害に遭うだけでなく知人によって被害にあうケースも多くあります。相手が外国人だと日本人同士よりも危険性を感じ取りにくいですから、過剰なくらいの警戒心がむしろ丁度よいと言えます。(カナダ人だけでなく他国の留学生に対しても同様です)

はっきり「ノー」と言いにくい日本人の特徴を逆手に取り騙そうとする者もいます。性犯罪は命の危険に関わる可能性もありますから危険を感じたら早めに距離を置く、会わない、弊社スタッフ・知人に相談する、領事館・警察に報告する等の行動を起こしましょう。

日本総領事館からのメッセージ

日本人は他のアジア人と比べて嫌なことでもはっきり断らない傾向があると思われていることから、日本人を狙ったケースもあるようです。性犯罪の被害に遭うと心に深い傷を負います。日本と同様の感覚、常識で行動することなく、海外で生活しているという自覚を持って、初対面で安易に相手を信用せず、言語の勉強などを口実として近づいてくる人物には注意しましょう。
在トロント総領事館の安全の手引きより抜粋

性犯罪に関する心得・注意点など

  • 見た目、言葉遣い、雰囲気など、表面上の印象を過信しない 。
  • 面識が一定期間あっても過信しない。
  • チューターやランゲージ・エクスチェンジを手段として近づく男性が居る事を心得る。
  • 面識の浅い人の家に行く車に乗る事などを避ける。(密室に二人で入る事を避ける)
  • ホームステイ先でも異常と感じる事があればすぐに担当者へ相談・報告をしてください。
  • 同性間でも性犯罪は発生しうる事を心得る。

詐欺

Canadian Anti-Fraud Centreによると、2022年は$531Million(1ドル100円換算で約530億円)の被害があったそうです。そして個人を対象にした詐欺も認識されているだけで60種類以上リストアップされている状態です。

カナダでも詐欺は何十年前から絶える事なく発生し続けています。カナダ人すら被害にあっていますから、慣れない環境に住み始めた留学生は特に被害に遭いやすく注意が必要です。日本の特殊詐欺(振り込め詐欺、オレオレ詐欺)と同様、その存在を知っていても被害者になるケースも多いです。防犯の最後の砦は自分自身という事もよくご理解下さい。

事例を知る事は防犯に繋がります。とにかく「お金を払う・渡す」「個人情報を渡す」という行為は毎回疑ってみましょう

テキスト・電話詐欺

カナダ政府や移民局を装って電話をかけてくる電話詐欺(ボイスフィッシング)が2021年も多発していますので、皆様ご注意下さい。弊社のお客様も被害に遭われています。なお電話に限らず、テキストやメールでも同様の詐欺は横行しています。

在バンクーバー日本国総領事館より

サービスカナダを装った電話による「振り込め詐欺」が現在も横行しています。特に電話による「振り込め詐欺」では,犯人らは「あなたのSINナンバーが不正に使用された疑いがある」などと話し,確認のためと称して氏名,住所,SINナンバー,銀行口座情報,クレジットカード情報等の個人情報を聞き出したり,「税金滞納」,「逮捕」,「提訴」等の言葉で圧迫し,言葉巧みに現金等を振り込ませようとします。

弊社お客様の被害では「貴方のSINが今ケベック州で悪用されているため、すぐ口座からお金を引き出して政府指定の口座へ入金しなさい」といった電話がかかり、10万円ほどの被害にあいました。(2021年7月)

心当たりのない不審な電話、特に以下の状況は「怪しい」と一度お考え下さい。

  • 「政府やサービスカナダ、警察など信頼できる肩書きで名乗る」
  • 「問題が起きていると説明」
  • 「個人情報を聞かれる」
  • 「支払いを指示される」

慌てて個人情報を伝えず、相手の名前や電話番号を控えて一度電話を切り、冷静に考える事をお勧めします。また一人で判断せず知人やエージェント、学校、日本総領事館などへ相談する事をお勧めします。

なおCAFC(カナダ詐欺対策センター)では詐欺に遭った場合は下記のような対策を取るように案内しています。
・CAFCへ連絡(電話:1-888-495-8501)
・管轄地の警察への連絡(被害届の提出)
・SINナンバーを教えてしまった場合は,サービスカナダ(電話:1−800−206−7218)に連絡
・相手へ振込んでしまった場合,口座情報等を教えてしまった場合は,金融機関に連絡

寸借詐欺

簡単に言えば困ってるふりをしてお金をだまし取る、詐欺の王道です。人の善意や下心につけこみ、少~高額の現金を奪います。特に嘘の肩書を使って演じるのが特徴です。

状況:財布を無くして困ってる、ATMでお金を下ろせない、現金が無くて困っている
肩書:大学の教授、有名企業で働いている、デザイナー・・等

肩書を利用する場合は身なりも良く、迫真の演技と巧みな言葉で「私はひっかからない」と普段思ってる人でもつい信じ込ませてしまいます。また外見・雰囲気も悪い事をするようには見えません。仮に本当に困っていたとしても、見ず知らずの通りがかりの人にお金を借りる必要があるでしょうか?せめて警察や市・交通機関の職員に相談するのが妥当です。多くは詐欺ですのでご注意下さい。

小切手を渡されるパターン

現金を借りるにあたって小切手を渡され、銀行ですぐデポジットして嘘でない事を見せるケースもありますが、ATMでは使えない小切手でも一旦デポジットされ入金出来たように見える事を悪用した手法です。

高級ジャケット詐欺

車から身なりの良い自称デザイナーの男性(イタリア系と思われる)が出てきて「自分は有名なデザイナーで今から帰国で空港に向かっているが、財布を無くして困っている。自分がデザインしたジャケットをあげるから現金を貸してくれないか。ジャケットは売れば借りたお金以上になる」という説明で、泣きながら迫真の演技で迫ってきます。ジャケットは売ってもお金になりません。トロント地域を中心に数十年前から発生している詐欺です。

上記以外にも肩書ではなく貧困を装うパターンもあります(例:ホームレス、財産を失った、病気で困ってる・・など)多くは道端に座ってお金を入れてもらうスタイルですが、これらは真実性が読みにくい部分もあります。

賃貸詐欺

カナダ全国で多発している種類の詐欺です。カナダのクラシファイド(Craigslistなど)で良く見られ、魅力的な物件が比較的安い家賃で掲載されています。連絡をとると以下のような説明がされます(この例に限りません)。

「オーナーが海外に居るので下見は出来ない」※変わりに画像・映像を提供など
「支払いをするならあなたに決める」
「海外出張でしばらく会えないので●
ヶ月分の家賃を先に払って欲しい」
「支払いをしたら友人が鍵を渡す」

まず将来の家賃を求める事は禁止されていますので、法定額以上の支払いを求める物件はまず怪しいとお考え下さい。(入居前に払うのはBC州なら家賃一ヶ月分の50%、ON州は初月・最終月の2ヶ月分が上限とされています)

共通点は料金的に魅力的な物件、部屋を見せない、先に支払いを求める・・などです。
上記パターンに似ていたり少しでも「怪しい」と感じたら話を進めないか無視するのが一番です。または在住歴が長い人やエージェントに相談する事をお勧めします。

カナダは貸主が直接テナントを探すスタイルが一般的なため、詐欺も結果的に生まれやすい環境になっています。日本とは違う、という点を胆に命じて皆様ご注意下さい。

盗難・窃盗

置き引きが多発しています。カバン、財布、携帯など金目のものは常に盗難の恐れがありますので外出時はご注意下さい。カフェ、図書館、レストランなどは公衆の場でよく狙われます。

窃盗はほんの一瞬で行われます。

自分の持ち物に注意を払い、貴重品は常に手元に置き目を離さないよう努めて下さい。

また貴重品や身分証明書は最低限だけ所持する事も大切です。(パスポートの持ち歩きはお勧めしません)

対策について

・携帯電話を常に持つ
カナダ入国時点から携帯電話を持ち、友人・家族との連絡を維持する事自体が防犯や周囲が異変に気付くきっかけになります。犯罪に巻き込まれた際も連絡手段を持つ事が解決の早道につながります(警察・消防の電話は911です)。日本から持参したスマホをWIFI専用にして電話を持たない方もいらっしゃいますが、これでは緊急時に活用できないため最低でも電話が可能な端末をお持ちください。スマートフォンならGPS機能はできる限りONにしましょう、自分・他人が現在地を把握するのに役立ちます。

・危険行動を取らない
犯罪が多いとされるエリアには足を踏み入れない事が一番です。また夜は人気のないエリアは出来る限り避けてください。一人でなくカップルでも暴力の被害に遭う事例があります。特に夜の公園や無人駅の近辺は犯罪発生率が高いと言われています。男性であっても夜は行動に注意するようお願い致します。