海外生活で最も費用がかかる「生活費」。そこでカナダ生活で出来る節約術を衣・食・住の3テーマに沿って紹介します。
まず初めに理解いただきたいのは、カナダは日本よりも物価が高いという事実です。2010年代後半から物価が上がり続け、2020年代に突入しても勢いは止りません。留学生に限らず現地に住む人も苦労している人は少なくありません。
ただカナダ生活をよく知れば知るほど、節約する方法が幾らでもある事に気づきます。
食費の節約
食費節約の原則はもちろん自炊です。外食は物価上昇の影響だけでなく、支払時に税金とチップで合計30%ほど加算され、びっくりする金額になる事もあります。普段は自炊で節約しつつ、たまの外食を楽しむバランスが節約生活のコツです。
仮に自炊の食材費が月数百ドルだとしても年間で数千ドル(数十万円)。日々すこしの意識をするだけでトータルのコストはかなり抑えられます。そこで食費については「自炊」をテーマに節約術をご紹介します。
主食は安い
主食となるパン・米・パスタ・乾麺・インスタントラーメン等は安く購入できますから節約の鍵となります。一ヶ月でおおむね数十ドル~50ドル位あれば十分まかなえます。日持ちするものはまとめ買いして割安に購入し、おかずや副菜の購入で更に節約術を駆使していくのが王道となるでしょう。
食パンやパスタは種類も多く、どこでも安く手に入ります。食パンは日本と違って細長く大きいので、数日では食べきれないかもしれませんから、冷凍庫にスペースがあるなら冷凍保存が理想です。なお中華系のスーパーでは日本に近い総菜パン・菓子パンなどがあります。
米や乾麺(蕎麦、うどん、そうめん等)はアジア系のスーパーで買いましょう。カナダ系スーパーでは、仮に販売されていても種類が少なく割高です。
カナダで販売されるお米は主にカルローズと呼ばれるカリフォルニア米が中心です。アジア系スーパーで色んな種類を購入できますが、2020年前後から値上がりし店によって価格も差がありますが、2キロ8~10ドル、6.8キロ(15lb)20~30ドル、18.1キロ(40lb)45ドル~辺りが相場です。
スーパーの活用法
アジア系スーパー(特に中華系、韓国系)は価格設定が抑えめで、セールも比較的多いです。チェーン系より独立した一店舗型のスーパーは更に安い事もあるので、近くにアジア系スーパーがあるか探してみましょう。ただ安さが売りの店では生鮮食品の質や製品の賞味期限が近いものがある場合もありますのでご注意下さい。逆にアジア系スーパーで売られているカナダの製品は高い事もあります。
大型スーパーは、次の項で紹介する以外にもローカルに多くあります。お店によって高い・安い商品や、取りそろえの幅が異なりますので、まずは色々比べてみましょう。
スーパー以外でも、総合ドラッグストアでは小さいスーパー並に取りそろえているケースが多く(乳製品や野菜まで販売するドラッグストアも)、しかも安く購入出来る場合があります。特に缶詰、パスタ、菓子類などはスーパーより安く販売される事があり要チェックです。(例:ロンドンドラッグ、ショッパーズドラッグマートなど)
なおカナダは健康志向・オーガニック志向の人口も多くWhole Foods、Urban Fare、Choicesと言った高級スーパーも多くあります。
節約貢献型スーパー
同じ食材・食品でも価格はスーパーにより変化します。ここでは節約に貢献出来るおすすめの大型スーパーの特徴を紹介します。(バンクーバー、トロント共通の大型スーパーを列挙しましたが、節約のコツは上記のアジア系ローカルスーパーもありますので、あくまで参考までに)
T&T
台湾系の大型アジアスーパー。中国の食材はもちろんの事、日本や韓国の食品も大量に用意されています。日本の調味料や化粧品等も売られていて便利。野菜などは比較的日本と同じものが手に入ります。アジア系スーパーはセールをよく行っており、野菜はお得な価格で手に入る事も多い。日本人の口に合うパン類も豊富。
No Frills
カナダの大型スーパーのうち、価格の安さで有名。No Frillsに限らず安いお店は生鮮食品の鮮度が劣る、傷んだ商品がある場合もみられ、野菜やフルーツなどは購入前によく確認しましよう。その他も全般的に安いですが、肉・魚・生鮮品などは他と変わらない場合も多い。
IGA
一般的なスーパーですが、品質の良いお肉が比較的安く購入できるのが特徴。ハムなどは量り売りでグラム単位で購入できるため便利です。
COSTCO
日本でもお馴染みのコストコ(カナダではコスコと発音します)。会員制で年会費60ドルしますが、帰国後日本のコストコでも会員として利用出来ます。品質が良い事で知られ、購入する単位・サイズは大きいが割安で手に入るケースが多い。お肉、野菜、卵など、ファミリーサイズですがお手頃価格で手に入ります。一人分だけ購入するには量が多いため、ルームメイト等、食材をシェアできる人がいる場合おすすめです。
番外編:バイトのまかない
外食のアルバイトは、お店によっては「まかない料理」があり節約に貢献する場合も。つまり一食分が浮く計算になります。主に日本人経営の店舗でまかないが用意されている事が多く、一定の勤務時間(例:1日5時間以上など)を満たせば一緒に食べられるといった具合です。
ただ全ての店でまかないが提供されている訳ではありません。カナダ人経営者は日本ほどまかないの文化は無く、「仕入れ価格で」「割引価格」「半額」など、お金は払うがお得な値段・・というケースも多くあります。まかないを狙うのであれば、日本人が経営する店が良いでしょう。(日本食レストランやラーメン屋、居酒屋など)
住まいの節約
節約には自炊が必須ですから、ホームステイでは無くシェアハウスやアパートシェアがお勧めです。カナダでは複数の人と同居して家賃を節約するスタイルが非常に一般的で、クラシファイド(情報掲示板)でルームメイト募集の投稿が多く見つかります。
このシェア物件は色んなスタイルがありますが、共通する条件はおおよそ以下のとおり。
- 自分の個室がある
- 共有部分(トイレ・バス・キッチン等)をルームメイトとシェア
- 光熱費・ネット代が家賃に含まれる
家賃は年々上がり続けているのが現状で、2022年現在は最低でも月600~700ドル程は想定しないと探すのに苦労するかもしれません。例えば1ベッドルームの家賃が約$1500〜$1900程の部屋であれば、複数人で住む事でその位の家賃に収まります。
節約のコツ
「住」の節約は家賃を抑える事に尽きますが、単純に安い物件を追い求めると自分に合わない環境でストレスを抱える可能性もあります。ストレスが増え本業(就学、就労)に影響が出たら本末転倒です。
したがって家賃の節約とは「自分ならどこまで妥協出来るか?」を追求する作業と言っても過言では無いでしょう。
妥協点の例
部屋の大きさ:家にあまり滞在しないので部屋は狭くていい距離:性格的に通学・通勤の長さは我慢出来る
共有エリア:バイト先でまなかいが出るのでキッチンの条件は気にしない
家賃以外でも、トータルの費用を想像する事で節約の検討が出来ます。
・家賃に含まれるのは何か?(光熱費、ネット代の値踏み)
・通勤通学先との距離?(交通費の値踏み)
もし徒歩で通学・通勤出来るなら定期券が不要になり月100ドル程の節約になるかもしれません。家賃だけでなく、そこに住む事でトータルの節約効果を想像する事が大事になります。
節約と生活の質のバランスに注意しながら納得のいく部屋が見つかる事を祈っています!
衣服代の節約
日本から持参した衣類は量も限定的ですし、長期滞在の方は現地購入が必ず必要になります。そこで古着・新品の購入に分けて衣類の節約を考えます。
古着
節約の王道は何と言っても古着です。特に日本人同士の古着売買ならファッション感覚やサイズの点で買いやすく便利です。各都市の有名クラシファイド(バンクーバーならJpcanada、トロントならe-Mapleなど)で帰国前の学生・ワーキングホリデーによる帰国セールなどがよく見られます。処分価格でかなり激安に購入出来ますから、新品を買う前にクラシファイドを覗くのもお勧めです。
また実店舗で言えば、トロントならケンジントンマーケットが古着の店が集まるエリアで有名です。以下のLifeTorontoさんの記事もご参考に。
バンクーバーの古着に関する記事・ブログもご紹介します。
新品
日本では販売されていないデザインや入手困難な洋服などもうまく情報を集めれば安く入手可能です。留学中に最も簡単に節約できるのが衣服代と言えるでしょう。
セールをチェック
カナダでは国を挙げてのセールや、店舗・ブランドごとのセールも頻繁に行われています。このタイミングをチェックするだけで出費がかなり変わりますので要チェックです。
有名な季節セールといえばブラックフライデー、サイバーマンデー、ボクシングデーがあります。 各ショップ単位ではサマーセール、ウィンターセールなども行われています。これらのセールをうまく利用すれば30%〜80%OFFで洋服が買えるので要チェックです。
- ブラックフライデー (Black Friday):11月の第4金曜日
- サイバーマンデー (Cyber Monday):ブラックフライデーの翌週の月曜日
- ボクシングデー (Boxing Day):12/26〜年末
アウトレットモールで買う
バンクーバーから車で行ける距離のデルタや電車でも行ける距離のリッチモンドに、トロントにはハルトンヒルズとミシサガに有名なアウトレットモールがあります。
- ハルトンヒルズ:Toronto Premium Outlets
- ミシサガ:Dixie Outlet Mall
アウトレットではブランド品でシーズンを過ぎたものや型落ちのものが格安で手に入ります。普段から安いですが、上記のセール期間と組み合わせるとさらに安いのでお勧めです。