ワーキングホリデー制度は観光、就学、就労ができる特別なビザです。
その中でもカナダとオーストラリアの2カ国は特に人気が高く、どちらか迷う方も多いのではないでしょうか?
このページではカナダとオーストラリアを比較して、それぞれの特徴をお伝えしていきます。
カナダとオーストラリアのワーホリ条件の比較
ワーキングホリデー(ワーホリ)は、海外で生活し、働きながら異国の文化を体験できるプログラム制度です。
特にカナダとオーストラリアは、人気の留学先ですが、それぞれの条件には大きな違いがあります。
条件 | カナダ | オーストラリア |
ビザ発給数 | 約6500人 | 無制限 |
申請期間 | 約1〜2ヶ月 | 約2週間〜1ヶ月 |
必要資金 | 2500カナダドル | 5000オーストラリアドル(往復航空券含む) |
滞在期間 | 基本1年、最大2年 | 基本1年、最大3年 |
年齢制限 | 18〜35歳 | 18〜30歳 |
就労条件 | 制限なし | 1雇用主で最長6ヶ月 |
学校通学期間 | 最長6ヶ月 | 最長4ヶ月 |
<ワーホリビザの発給数>
カナダでは年間約6500人のビザ枠が設定されており、申請期間は秋から冬にかけてです。近年、人気が高まり、枠がすぐに埋まる傾向にあります。
オーストラリアではビザ枠に制限はなく、年間を通して常時受付が行われています。そのため、カナダよりも多くの人が申し込み、渡航しています。
<ビザ申請から許可までの期間>
カナダでは申請から許可までには早くても1ヶ月から2ヶ月かかります。また、バイトメトリクスという指紋登録などの手続きにも時間を要するため、余裕を持って準備をすることが重要です。
一方、オーストラリアでは申請が比較的簡単で、ビザ申請の期間が短く、約2週間から1ヶ月で下りることが一般的です。
<必要な資金>
カナダのワーホリには必要資金が2500カナダドルですが、申請過程での資金証明の提出は基本的に不要とされています。
※2500カナダドルは日本円にして27〜28万円程度。
オーストラリアのワーホリには最低5000オーストラリアドル(往復航空券の資金含む)が必要で、資金証明の提出が求められます。
※5000オーストラリアドルは日本円にして50万円弱程度。
<滞在可能期間>
カナダのワーホリ制度では基本的に1年間の滞在が可能で、セカンドワーホリを利用することで最大2年間の滞在が可能です。
しかし、セカンドワーホリは発給数が少なく、費用が高いとされています。
詳しくは以下をご覧ください。
▶︎カナダのセカンドワーホリ解説
オーストラリアのワーホリ制度では基本滞在可能期間は1年ですが、セカンド・サードワーホリを利用することで合計3年間の滞在が可能です。
※一般的にファームジョブを一定期間行うなどの条件あり。
<年齢制限>
カナダのワーホリでは18歳から30歳までの申請が可能です。セカンドワーホリでは35歳まで申請できます。
一方、オーストラリアでは18歳から30歳までの申請が可能です。
<就労条件>
カナダではワーホリ中ビザが有効な間は就労の期間に制限は設けられていません。
オーストラリアでは1つの雇用主での就労は最長6ヶ月までと制限されています。特定業種での就労は特定の条件下で6ヶ月以上可能です。
<学校に通う期間>
カナダでのワーホリ期間中は、最長6ヶ月間通学可能です。
一方でオーストラリアでのワーホリ期間中は最長4ヶ月間とカナダに比べると2ヶ月間短く設定されています。
カナダとオーストラリアの英語比較
カナダ英語の特徴
カナダ英語は聞き取りやすく、癖が少ないのが特徴です。アメリカ英語に近く、日本人にとっては馴染みのある発音のため、留学初心者や綺麗な発音を学びたい方にはカナダ留学が向いているでしょう。
また、カナダは英語とフランス語の二言語国家であり、特にケベック州などのフランス語圏ではフランス語が日常的に使われている地域もあります。
カナダは移民国家であるため、英語初心者に対しても熱心に耳を傾けてくれる人が多いです。
オーストラリア英語の特徴
オーストラリア英語は「オージーイングリッシュ」と呼ばれ、イギリスアクセントの影響を大きく受けています。
先住民のアボリジニの影響もあり、カナダと比較すると訛りが強いと感じる場合もあるようです。アメリカ英語の影響が大きい日本人には慣れるための時間が必要になるでしょう。
しかし、オージーイングリッシュの発音や訛りはかっこいい、セクシーでかわいいと評されることも多く、習得できたらかっこいいですね。
カナダとオーストラリアの時給比較
次にカナダとオーストラリアの収入面を比較してみます。結論から言うと収入の差はあまりないと考えて良いでしょう。
実際に詳しい内容を以下でカナダとオーストラリアの最低賃金を最低賃金を解説していきます。
カナダの最低賃金
カナダの最低時給は州ごとに異なり、特に人気の高い都市であるバンクーバー(ブリティッシュコロンビア州)とトロント(オンタリオ州)では、2024年3月現在、以下のように設定されています。
- バンクーバー(ブリティッシュコロンビア州): CA$16.75
- トロント(オンタリオ州): CA$16.55
日本円に換算する場合、1カナダドル=約110円(2024年現在のおおよそのレート)を目安に計算します。その場合、バンクーバーでの最低時給は約1,842.5円、トロントでの最低時給は約1,815円となります。これらの換算値は為替レートの変動により変わるため、実際の換算時には最新のレートを確認しましょう。
カナダのチップ文化について
カナダではチップ文化が根付いており、特にレストランやカフェ、タクシーなどのサービス業で働く人々は、給与に加えてチップを収入として得ることが一般的です。チップの額はサービスの質や顧客の満足度によって左右されますが、一般的には請求額の15%から20%が目安とされています。そのため、サービス業における実質的な収入は、基本給以上になることが多く、特に観光地や大都市では、チップによる収入増加が期待できます。
オーストラリアの最低賃金
2024年3月現在、オーストラリアの最低賃金はAUD$23.23と設定されています。
レストランで働く場合は平均としてAUD$23〜25の場合が多いですが、ファームジョブの場合はAUD$25〜30程度と少し高くなる傾向にあります。
基本的な収入ではオーストラリアの方が少し多くなりますが、シフトに十分な日数入れないというケースが多く安定的に稼ぐのが難しい原因とされています。背景として永住権取得者やオーストラリア人が優先的にシフトに入ることや人手が余っていることが挙げられます。
オーストラリアのチップ文化について
オーストラリアではチップ文化は浸透していません。そのため、基本的にはチップ収入はないと考えましょう。理由としては最低賃金が高く、チップの必要がないと考えられているからです。もちろん良いサービスを受けた場合には支払っても問題はないです。
カナダとオーストラリアの物価比較
収入面と合わせて知っておきたいのが、「物価の高さ」です。
近年、世界的な上昇傾向にあり、カナダとオーストラリアともに物価が高騰しています。
日本との比較をするとどちらも1.5~2倍程度高いと考えておきましょう。
以下は、カナダとオーストラリアの物価を表で比較したものです。データはNUMBEOを参照しています。
項目 | カナダ (CAD) | オーストラリア (AUD) |
---|---|---|
住宅費 (1ベッドルームアパート・市中心部) | $1,500〜$2,200 | $1,800〜$2,500 |
食料品 (家族4人の1ヶ月) | $800〜$1,200 | $1,000〜$1,500 |
外食 (中級レストラン・2人分) | $60〜$100 | $80〜$120 |
住宅費
トロントやバンクーバーなどの大都市では、1ベッドルームのアパートの家賃が月CA$1,500〜CA$2,200程度です。不動産の購入価格も高額で、特に市中心部ではさらに高くなります。
シドニーやメルボルンなどの大都市では、1ベッドルームのアパートの家賃が月AUD$1,800〜AUD$2,500程度です。シドニーの不動産価格は世界でもトップクラスに高いとされています。
食料品
カナダの家族4人の1ヶ月の食費はCA$800〜CA$1,200程度とされています。
オーストラリアの家族4人の1ヶ月の食費はAUD$1,000〜AUD$1,500程度とされており、カナダと同様に高いコストがかかります。
外食
カナダの中級レストランでの2人分の食事はCA$60〜CA$100程度です。オーストラリアでの場合はAUD$80〜AUD$120程度です。カナダでもオーストラリアでも、特に大都市では外食が高価です。
カナダとオーストラリアでは、住宅費や食料品、外食にかかるコストが特に高く、生活費全般にわたって高いコストがかかることが分かります。国全体のデータをみた場合はオーストラリアの方が少し高い傾向にありますが、地域によって物価は異なるので、留学前に確認しておきましょう。
カナダとオーストラリアどっちが合っているのか?
カナダとオーストラリアがどっちが良い、悪いというのではなく、自分に合っているのかで検討してみましょう。
カナダ留学に向いている人
カナダ留学に向いている人は以下の5つに当てはまる可能性が高いです。
①綺麗なクセの少ない英語を学びたい人
カナダ英語は発音の癖が少なく、英語初心者の方にも聞き取りやすいクリアな発音が特徴です。アメリカ英語が発音のベースとなっており、日本人が学習しやすい英語アクセントと言えます。
②ウィンタースポーツやアクティビティなど自然を満喫したい人
カナダの壮大な自然は、アウトドア活動やウィンタースポーツを楽しむのに最適です。特にウィスラーやグロースマウンテンなどの山々ではハイキングやスキーなどが楽しめます。
③海外旅行が好きな人
カナダからはアメリカをはじめとする他の国へのアクセスが良く、海外旅行が好きな方、特にヨーロッパや南米、アメリカに行きたい場合はカナダ留学がぴったりです。
④日本食や日本製品が欲しい人
カナダのバンクーバーやトロントなどの大都市ではアジア系スーパーはもちろん日本の食材や日本製の商品が手に入ります。ユニクロや無印良品、ダイソーなどが点在しているため、日本を感じたまま海外生活を送りたい方はカナダ留学がおすすめです。
⑤暑さに弱く、快適な夏を過ごしたい方
カナダは冬は寒さが厳しいですが、夏は比較的涼しく過ごしやすいです。もし寒さが苦手な場合でもバンクーバーかビクトリアの都市を選ぶと温暖で過ごしやすい生活が送れます。
オーストラリア留学に向いている人
オーストラリア留学に向いている人は以下の4つに当てはまる可能性が高いです。
①暖かくて過ごしやすい気候が好きな人
オーストラリアは温暖な気候で、寒さが苦手な人にはうってつけの留学先です。四季はありますが、日本とは反対の時期になります。 12月〜2月が夏、3月〜5月が秋、6月〜8月が冬、9月〜11月が春です。
②オージーイングリッシュを身につけたい人
独特のアクセントや表現を持つオーストラリア英語を学びたい人には最適です。
③日本との距離や時差が少ない方が都合が良い人
オーストラリアは日本からの距離が近く、時差も少ないため、家族や友人との連絡が取りやすいです。また、日本との仕事で行き来する場合やミーティングが必要な場合はオーストラリアの方が都合が良いです。
④ビーチやマリンスポーツが好きな人
オーストラリアは世界有数の美しいビーチが多く、サーフィンやダイビングなどマリンスポーツを楽しめます。特にゴールドコーストはビーチが有名で、快適な留学生活が送れるでしょう。
カナダとオーストラリア2カ国行くならカナダから行くべき理由
カナダとオーストラリアの両方でワーキングホリデーを楽しもうと考えている方へなぜカナダからスタートする方が良いのか、その理由を簡単に説明します。
主な理由としてはオーストラリアからカナダに行く場合、複雑な書類手続きが必要になるからです。
例えば、警察証明書の取得や滞在していた州によっては運転歴の証明やその他書類などの提出が求められます。このような書類を集めるのは、時間も労力だけでなく、費用がかかる場合もあります。
カナダからオーストラリアへ行くメリット
一方、カナダからオーストラリアへのワーキングホリデーでは、これほど複雑な手続きは必要ありません。
カナダとオーストラリアの間では、ワーキングホリデービザの申請が比較的シンプルで、オーストラリア入国時の手続きも簡単です。
簡単に言うと…
- オーストラリア→カナダ: 色々な書類が必要で、準備が大変。時間もお金もかかる可能性がある。
- カナダ→オーストラリア: 手続きがシンプルで、スムーズに準備できる。
上記の点から2カ国留学をする場合は、カナダからスタートする方が手続きが楽になり、トラブルも少なくなるでしょう。
▶︎詳しくは以下をご覧ください。
https://workingholiday-syrup.com/guide/application_sample/
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