フラッグポールの方法

例えばカナダ滞在中の方がワーキングホリデーへ切り替える際、通常アメリカ国境でUターンしてカナダ移民局でビザ手続きをします。何故わざわざ国境まで行くかと言うと、ワーホリビザは海外から入国時の国境でしか発行が出来ないからです。国内郵送などでは(今は)入手出来ません。

この国境まで行く手続きをフラッグポール(英語ではflagpoling)と呼びます。国境でまさに旗ざお(フラッグポール)をまわって戻ってくるのでこのように呼ばれるそうです。

このページではこの手順について解説します。他にも観光ビザ⇒学生・ワーホリへ切り替える場合も同じ方法をとる必要があります。

【参考】
ワーホリ申請ガイド「ワーホリシロップ」
ROワーホリ申請手順

必要書類

フラッグポールに必要な書類は以下の通りです。なお4~6は確認を求められないケースが殆どですが、それと関係なく本来必要な書類とされていますので準備されるようにして下さい。

  1. パスポート
  2. 現在のビザ
  3. ビザの許可レター
    事前にビザ申請を終えて許可を取得しておく必要があります。紙のプリントアウトを推奨。
  4. ESTA
    アメリカ入国に必要な事前手続きです。(2022年5月から陸路の入国でも必要になったため、フラッグポールでも必須となりました。)入国の72時間前までに申請するよう推奨されています。⇒ESTA公式サイト
    なお過去2年以内にESTA申請した事があれば有効期限内のため再申請する必要はない可能性もあります。申請歴がある方は上記ESTA公式サイトのメニューからCheck ESTA Statusを選んで確認しましょう。
  5. 保険証
    滞在をカバーする保険。オンライン手続きで完了する格安のお勧めの保険はこちら
  6. 残高証明(ワーホリの場合)
    ワーホリの条件である2500ドル相当の資金を示すもの。

その他ビザ引き換えの際に現住所を聞かれますので、住所をすぐ提示できるように紙またはスマホにメモをしておく事をお勧めします。

バンクーバーの場合

国境の場所

バンクーバーの場合、以下2カ所の国境がバンクーバーから最も近い国境となります。

ポイントロバーツ(Point Roberts)

ポイントロバーツは小さな半島部分だけアメリカというユニークな地域ですが、ここにも両国の国境施設があります。そしてビザ発行が目的なら圧倒的にポイントロバーツがお勧めです。

利点は電車・バスだけで行けるアクセスの良さ、混んでないので手続きが早い、フラッグポール利用者が多いのでスタッフが慣れている、という点です。ウォーターフロント駅から約75分~90分程度で到着出来ます。

ピースアーチ(Peace Arch)

シアトル方面へ行く幹線道路沿いの国境にあります。主要交通路のため混雑する事もあり、なにより公共交通ではアクセスしにくい事も難点です。ただ陸路でアメリカ旅行予定がありそのついでに・・というケースなら逆に便利かもしれません。
この場合、長距離バスを利用するか自分で車を手配して移動する事になります。長距離バスの場合、バスが国境で待機中に手続きを済ます事になりますが、時間がかかればバスは去ってしまいます。確実なのは自分で車を手配する方法です(レンタカーや友人の車など)。

ポイントロバーツへの行き方

ここではポイントロバーツに解説します。行き方はとてもシンプルで、リッチモンド(Bridgeport駅)からバス一本で到着出来ます。

ダウンタウンから行く場合の一例
【1】スカイトレインでBridgeport駅まで行く
【2】601~603番のバスに乗り換えて最寄りのバス停で下りる
【3】徒歩でポイントロバーツまで向かう


なおBridgeport駅から最適なバスルートは時間帯により変化します。バス番号も601~603ならどれでも行く事が出来ますし、下りるバス停により徒歩の距離も変わります。Google Mapのポイントロバーツからご自分にあった経路をご確認下さい。 

<国境の最寄りバス停>
バス#601,602⇒54 St @ 2nd Ave
バス#603⇒1st Ave @ 56 St
バス#604⇒1st Ave @ 55A St

国境での流れ

国境に着くと写真のように道が片道方向のみになり、カナダ側・アメリカ側の国境事務所が少し離れて建っています。

カナダ側から国境を見た景色

【1】アメリカ側の事務所へ行く

国境を越える際はカナダのオフィスに寄らず、直接アメリカ国境まで徒歩で進みます。車道の脇にある歩道を通ってください。そのままアメリカの国境事務所に入り、Flagpolingに来たとオフィサーに伝えて下さい。

【2】戻ってカナダ側の事務所へ行く

アメリカ入国手続きを終えた後、そのまま来た道を戻り今度はカナダの入国管理事務所へ入ります。カナダに入る車道があるので、その脇を進みます。(途中で停止位置があるので、声かけられるまでそこで待つ)

【3】ビザ発行を依頼

今度はカナダのオフィサーへビザの切り替えをしたいと伝えます。(伝え方の例「I did a flagpoling, and I want to change my visa please」)持参した必要書類を提示し、間もなく紙のビザを発行してもらえます。混んでなければ10分もかかりません。

【次のステップ】「ビザ受け取り時の注意点」へジャンプ

トロントの場合

トロントエリアで最も近いUS国境はナイアガラの滝です。滝のすぐ脇にある橋がアメリカ・カナダ国境になっており、トロント周辺で最もアクセスしやすい国境です。

カナダ国境サービス庁の発表によると、このカナダ国境施設における学生・就労ビザの発行は火曜~木曜8:00am~深夜12時のみ対応とされています(2023年3月時点)。他の曜日で受け付けられた事例もありますが、原則この指定時間内に伺う事をお勧めします。

トロントからナイアガラの行き方

公共交通で移動する場合は鉄道かバスを使用するのが一般的です。ポピュラーな手段のうち弊社のお勧め順にご紹介します。

(1)長距離バス
トロント市内からナイアガラには、FlixBus(ユニオン駅発)やMegabus(ダンダス駅発)という長距離バスが走っています。片道15ドル程度なので鉄道よりも手軽な料金です。

(2)Go Train/Go Bus
電車とバスを乗り継いでいく方法です。ユニオン駅からGo TrainでBurlington駅へ行き、Goバスに乗り換えてナイアガラの滝まで行くのが通常ルートですが、時期・日程により直通電車もあります。PRESTOで乗車すれば割安料金となります。

(3)VIA
観光列車で有名なVIA鉄道でもユニオン駅からナイアガラまで直通で行けます。本数が少なく一日一本・早朝発など選択肢が少ないためスケジュールを予め確認の上ご利用下さい。

なおナイアガラの滝のターミナル(バス・電車の終着地)から滝まで徒歩で15~30分ほど歩きますが、ローカルバスWEGOに乗り換えて移動できます(Prestoは使えません)。

参考リンク:黒猫BLOG ナイアガラの滝の行き方

国境での流れ

ナイアガラの滝のダウンタウンエリア(ホテルやカジノが集まる地域)に2国をつなぐレインボーブリッジがあり、この両脇にカナダ・アメリカの国境施設があります。アメリカ側で滝を観光する際にもわたる有名な橋で、徒歩で渡れるようになっています。両国の施設では、入国手続きビザ発行業務が行われます。

【1】カナダ国境を通過する
カナダを出る時に手続きはありませんが、橋を渡る通行料(Toll)として現金1ドル(コイン、$1×1枚または25¢×4枚)が必要です。アメリカドルでも可。両替機も設置されていますが予め小銭の用意を推奨します。ゲートにコインを入れると通過出来る仕組みになっています。

【2】アメリカ側の施設
橋を徒歩で5分ほどで渡りアメリカ側のボーダー施設に入ります。フラッグポールである事を伝えてパスポートを提示。すると幾つか質問をされ(住まい、目的、滞在期間、所持品、ペット、ESTA有無など)フラグポールをする人のための紙を受け取ります。アメリカに初めて入国する場合は指紋採取と写真撮影も行われます。

【3】カナダ側施設でビザ発行
橋を戻ってカナダ側の施設に入ります。ビザの切り替えをしたいと伝え、持参した必要書類やUS国境で預かったフラグポールの紙(あれば)を提出します。

参考ブログ(現地の様子など)

ビザ受け取り時の注意

受け取り時に聞かれるかもしれない質問

・いつカナダへ来たか?
・就きたい仕事(ワーホリの場合)
・カナダの住所
【ポイント】回答はシンプルに。聞かれてない事は答えない。

受け取り時の注意事項

ビザ種別⇒ワーホリならWork Permit、学生ビザはStudy Permit、コープなら両方など
名前⇒スペルが正しいか、First/Last nameが逆でないか
期限(Expiry Date)⇒ワーホリなら一年後、学生ビザなら卒業日以降

詳細や他のビザについてはビザ受取り時の確認ポイントにて解説しています。

ワーホリビザのサンプル

ワーホリ切替え後にすること

・SINの登録/更新

働くためにはSINが必要ですので取得されていない人はサービスカナダで登録を進めましょう。手続き方法はSINの申請方法をご覧ください。オンラインでも対面でもどちらでも可能です。
コープ留学などで既にSINをお持ちの方も更新が必要ですので忘れずに手続きをしましょう(SINは申請時のビザ期限までしか有効ではありません)。

・BC州の健康保険MSPの手続き

ワーホリの場合、条件を満たすとBC州の公的保険に加入出来ます(雇用主からの雇用証明などが必要)。特に学生ビザで既にMSPに加入している場合、ビザをワーホリに切り替える事で保険料が無料になります。詳しくはMSPについてをご覧下さい。